題名『ピュタゴラスの音楽』
ハードカバーでかなり分厚く最期まで読むのに苦労しました。と云えればいいんだけど、実は「ざっと読み」や「飛ばし読み」で、2週間かかってようやく最後の頁までたどり着きました。
よく消化できないまま独断と偏見で私なりに受け取ったこの本の主題は、
『この世の中の現象の裏というか根本部分には数理的なものが存在する』
ということ。
現代人のように万人が科学的な知見を持っている時代には、あらゆる現象は法則に基づき、数理的に説明できる。と信じていますが、2500年も前のこのピュタゴラスの時代はそうではなかった。
ギリシャ人は他の民族と違い物事の本質をとことん究めるのが好きなようです。そして究極の本質を各人、様々に言い表しました。
デモクリトスなんかはこの時代に早くも
『物質の究極は原子である。』
と原子論を唱えています。
ターレスは
『水』
を万物の根源と考えました。
その中でピュタゴラスは万物は
『数である』
ととなえました。
古代にあって発見されていた数理的な法則などは、ほとんどない時代にすごい自信ですね。
その自信のモトとなったのがこの本の題名『ピュタゴラスの音楽』にあるように「音楽」だったのです。
ギリシア人は音楽を人格の陶冶にに有用だと考えましたし、その調和がもたらす作用を重要視していました。
ピュタゴラスはモノコード(一弦琴)を使い、調和する音列が、例えばオクターブだと1対2、あるいは5度だと、4度だと、その弦の長さがどうなるかを確かめました。
もう今の皆さんはご存知のようにこれは整数比となります、調和数列ですね。
宇宙のようなマクロコスモス、人のこころの中のようなミクロコスモスを調和に導くと考えられていた「音楽」にこのような「数」の規則があるという発見が、前述の「万物は数である」という大胆な主張になったんだろうと思います。
とまあ、ここらあたりまでしか私の頭には残っていません。
他には、有名なピュタゴラスの定理(三平方の定理)は実際はこの人の発見でなく、その規則はもっと古く古代バビロニアで知られていたということはこの本で知りました。
じゃあ、なんでピュタゴラスの定理なの?といいたい気がしますね。
しかし、この本には書いてありませんでしたが、この定理の本質的な重要性を見つけたのはやはりピュタゴラスではなかったのか、と思っています。
数学に踏み込み過ぎるためブログには書けませんが、
『数で空間が把握できる』
というのがこの定理の威力だと思うのです。ピュタゴラスはそれを認識していたと思います。
ピュタゴラスの定理は3元の変数が入った式ですが、これを4元にすると、我々は4次元空間を視覚で認識できませんが、前のブログの写真のような四次元時空の「軌跡」を描き、頭では理解できるのです。
この定理、中学で習う簡単なものです。秋の夜長、この数式の持つ意味をちょっと考えてみませんか。
4 件のコメント:
『ピュタゴラスの定理』って、当たり前に使ってますけど不思議ですね。三角関数の基本のような気がしますから、大切な定理ですが、どう考えても感覚でしか理解できませんね。ひとつの角度が90度という所が味噌なんでしょうけどね。それより、よく492頁もある本読みましたね。私も621頁の幾何学的な本に挑戦していますが、読めるけど理解が0です。
数理的っていうと、あまり感じのいいものに取られないような気がしますが、世の中の秩序もしくはカオスを解析する手法としては必要なんでしょうね。しかし私ごとですが、難しい幾何学勉強しても、ピタゴラスの定理も理解できないようでは先が思いやられますね。(^.^)
プュタゴラスの定理て、名前は聞いたことあるような
今話題のギリシャなんですね。
>>しんさま
しんさまも幾何学的な教養書をお読みとのこと、心強いです。正直のところ私は学校の数学の成績は悪かったです。理解が人より遅いんですね。数学は問題を解く速さを競うところがあるから、そういうのは私ダメなんです。
ごく基本的な命題なんかを何日も自分なりにあれこれ考えるのが好きです。まるでグラスに入った高級な洋酒を眺め、手の中でモモグリながらちびちび飲むように。
その点、古代ギリシャの数学、幾何学なんかはそういう思考にピッタリですね。
例え高等数学ではなくても、数学的思考は哲学的思考と似ているところがあり、頭の体操にもなるし、腑に落ちた時の喜びって、うれしいですよね。
わたし、以前に残り少ない人生で欲張らずに最後にやりたいのは2つといいました。「言語学」と「数学」、気張らずに趣味で出来ればいいと思います。
>>てるさん
なんかギリシャの政治社会の混乱ぶりを見てると、偉大な古代ギリシャ人の本当の子孫かなとちょっと思ってしまうところがありますね。
話、変わりますが、てるさんは楽器を何かやりますか?ギターなんかできたらいいんですけど、歌でも構いません。やれればしんさま、てるさん、私(キーボードだけど)と組んで
グループ名『ピンク・ピュタゴラス』なんてどうかな。
などど、朝からたわごとを言っております。忘れてください。
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