知人が大のチーズ好きのようで、先日、青かびチーズのいかにもコクのありそうなチーズの写真をアップしていた。(ブルーチーズというそうだ)
背景にあるバスケットに入ったフランスパンやいろどりのサラダを見ているとなんかヨーロッパのホテルの朝食のテーブルのような気がする。
また今日は私がファンになっているブロガーさんが見た目も可愛い、いく種類ものオードブルのようなチーズの写真をアップしていた。写真を見てるだけで写真の方に手が伸び、つまんでみたい誘惑に駆られる。
「みんな、おしゃれな食べ物食べてるなぁ~」
今でこそチーズは食べられるようになったが、昔は味に抵抗があって食べられなかった。爺婆に育てられたため、乳製品は
「チチ臭い~」
の一言で、爺婆と子どもの私の3人の食卓には上らなかった。そのため外でごくたまにチーズに接することがあっても、おいしいとはとても思えず
「変な味じゃ。」
その私がチーズ、バターを食べられるようになったのは中学以降である。
興味が湧いたのはある漫画がきっかけであった。ところが今、その漫画を思い出そうと思っても題名が思い出せない。
こんな時、ネットはほんとに便利である。いくつかのうろ覚えのキーワードを入れたら、ちゃんとその漫画にヒットした。
白土三平の1963年の漫画『栬𨊂𠎁潢(イシミツ)』である。すごい四文字熟語でお目にかからぬ漢字ばかりである。
時代はたぶん平安時代、不老長寿の妙薬を求める筋だったと思う。そのなかで不老長寿の食物として牛乳から精製した食べ物が出てくるのである。
『酪』
『穌』
『醍醐』
このような中学一年にとって難しい漢字もそのまま使われていたと思う。この乳製品は精製の段階によって『酪』⇒『穌』⇒『醍醐』になり、その霊妙な効果もこの順に上がるそうである。
この漫画の脚注に「醍醐はチーズ様のものか」と書かれていた。それからである。俄然、チーズに興味が湧いた。そして不老長寿の霊薬ということで食べてみたくなった。
そのころ(まだ中学一年のガキだからまだこんな店に出入りしてました。)、近所の駄菓子屋に駄菓子と一緒にセロファン包装のソーセージのようにスティック型の小さなベビーチーズがおいてありました。
それ以後、おやつに頻繁に買うようになりました。最初はおいしいと思わず、「不老長寿の霊薬!」と言い聞かせて無理に食べていましたが、そのうちおいしくなり、好きになりました。
高校になるころには祖母に頼んで弁当のおかずに入れてもらうほどになってました。
ネットで今調べると
『牛乳を煮て作るのが酪(らく)で、その酪が蘇(そ)となり、蘇が醍醐や乳餅となった」とあります。蘇は練乳、醍醐や乳餅はチーズと考えられています。』
やはり思った通り
『酪』⇒『穌』⇒『醍醐』の順ですね。それに昔思った通り
「やっぱし、最終の霊妙な製品・醍醐はチーズだったんじゃ。」
成長期にチーズを食べたおかげか、ヒンケルこともなく、身長も173㎝弱にまでなり、(今、年寄って縮ました)、早死にしたかもしれんのに60まで生きました。霊妙な食品「醍醐」の力でしょうか。
ちなみにこの「醍醐」は味覚でも最上級であります。えもいわれぬ味わいの
『醍醐味』はこれからきているのだそうです。
チーズの匂いこぼれ話
ある種の高級チーズの匂いは男の人が大~好きな女性のあるものの匂いに似てるそうです。
寝てるナポレオンの枕元に召使が朝食としてこのチーズを運んだそうです。目を開けずこの匂いを嗅いだナポレオン
「う~ん、ジュゼフィーヌ!朝から、勘弁してくれ!」
といったとか、チャンチャン!
※ 上記の難しい四字熟語・イシミツ、Google Chromeでは文字は表示不能ですが、IEではちゃんと文字が出てます。漢字変換はIEが優れているようです。
2 件のコメント:
チーズの記事、ありがとうございます。
私の場合はチーズ好きというか、死ぬまでに味わっておきたいていどです。でも、写真のちーずは食べてみたいですね。何処にあるのか知りませんが、探してみます。味だけでなく匂いもいろいろ在るんですね。しっかり試して照合してみます。(((^^;)
50年も前の漫画だけどこうやってブログに取り上げますと、その漫画の内容がだんだんよみがえってきました。
時代はやはり平安時代です。貴族が天皇のため酪だの穌だの醍醐だのを作り、献上しますが、寿命に勝てず天皇はなくなり、その貴族はハラハラと涙をこぼし女々しく泣きます。
そのくせ、その醍醐を盗み食いした庶民は罰で平気で首をはねます。
白土漫画は階級の差別というかコントラストが強烈ですね。
この漫画の別シリーズでは「冬虫夏草」を扱ってました。
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