今日12月21日は旧暦の11月15日、旧暦では15日は必ず満月になります。
ところで、皆さん暦は作れますか。「えっ、それ、何のこと?暦を作るって。」といわれそうですが、そんなに難しく考えないでください。
簡単にいえば、来年の12枚の月ごとの曜日の入ったカレンダーです。「なーんだ、そんなことか。」大人だと誰でもできますね。「西向く侍」すなわち、2,4,6,9,11月を小の月、2月のみ28日であと30日。そして残りの月は31日。それに7曜日を単純に繰り返せばいい。そして西暦が4で割り切れる年のみ2月は29日となる。これでおしまい。数百年はおなじことの繰り返し。
ただしこれは太陽暦のこと、旧暦、すなわち太陰暦となるとこうはいきません。専門家以外誰にも作れません。何月が大の月か小の月か、そして時々来る閏月、同じ月が二回もある。一年が13か月となる。それは何月になるか、素人には絶対無理。
まあ、やまさんは、自慢でないけど(といいつつ自慢してるわ)昔、ちょっと本を読んだから、天文年鑑があれば、つくれます。
日本の歴史始まって以来、千数百年、作るのが難しい暦、太陰暦(正確には太陰太陽暦というんだけれどね)を使ってきました。でもだれも来年の暦は作れない。作れるのは特別な技能と天文観測、計算ができる人々のみ、朝廷にいる天文博士や陰陽道の部署のその道の専門家。
そこで朝廷は前年の暮れが近くなると彼らに作らせた暦を頒布しました。そこではじめて人々は新しい年の暦、いつが大あるいは小の月か、余分な閏月はあるか、あるとしたらいつかを知ったのです。国が乱れ朝廷の支配力が衰えてもこの暦の頒布を通した朝廷の、いわば時をも支配するという構造は変わりませんでした。他の人には作れないんですから。だから元号制定よりもこちらの方が重要な気がします。
でもね、これ、大変なんですよ。いくら専門家とはいえ高等数学や正確な天文機器がなかった時代、間違いがあったのです。恐ろしい結果をもたらしかもしれない間違いが・・・・・・・・・・・
今日は旧暦で15日、満月の日と先ほど言いましたが、今日天気が悪くて見えませんでしたが、もう一つ珍しい天文現象があるのです。MOTOさんの今日のブログにも取り上げられている皆既月食です。
陰暦では15日が満月ですので月食は必ずこの日に起こらなければなりません。また月食以上に少ないがより重要な日食は、朔。すなわち新月、旧暦では月の1日に起こらなければなりません。ところがですね、月が地球を一周するのは29日と半端の小数、一で割り切れない。
ま、難しいことは省くとして結論から言うと、1や15日に食が来ない場合があるのです。ずれても1日ですけど、その場合、前月までの月を大や小にして食は必ず1や15日に来るようします。しかし専門家でも難しい。まして中世の時代なんかは。
暦には月食、日食の予報が書き入れられています。もしこれが外れれば国中大騒ぎと言っていいほどの事故になります。時を支配するといわれた為政者の信用度はがた落ち、正統性まで問われかねません。中世末、このずれは大きくなり信用度は落ちますが、他につくれる人がいないのでずれの大きいまま使い続けられます。やっと徳川幕府が成立し、正確な暦が新しくできます。(実質幕府が作ったが、形式的には京都の陰陽道の公家、土御門家、安倍の晴明の子孫、から頒布された。)
日本の大部分で月食は天気が悪く見られないとのことでしたが、さっきテレビを見ると釧路からの中継で赤黒いちょっと不気味な皆既月食の月が写っていました。画面をみながらこんな赤黒い月を昔の人はどのような思いで見たのだろうと考えていました。朝廷から頒布される暦に載っていれば、まあ、変異な天文現象が予言され的中したのであるから時や天運の巡りに安堵したことでしょう。しかし、的中しなければ不安を掻き立てられたに違いないでしょう。まして、思いもかけぬ、2日に日食が起こったり、14日に月食が起これば、恐ろしい恐慌が巻き起こっても不思議ではありません。
予期せぬ天文現象の変異はこの世の大変異に結び付けられ恐れられたのです。
太陽、月、金星、その他の惑星は複雑な動きをするが、大昔よりある程度動きが予想され、暦に書き入れられ人々を安堵させました。しかし、たまに全く不意の動きをする天文現象が起こります。「ほうき星」・大彗星です。
中世に夜空に長く尾を引いて突如として現れた「大ほうき星」。人々はこの世の終末の予兆ではないかと恐れました。
大ほうき星が終末の予兆であるとは、何かを暗示していませんか?いまから6700万年前、のある夜、急にあらわれ夜ごと大きさ長さ明るさを増していった大彗星、知覚できたかどうかわかりませんが恐竜たちの目には映っていたでしょう。まさに終末の大ほうき星。最後の夜、そいつはどれだけ綺麗に夜空を彩ったことでしょう。そしてディープインパクト。中生代は終わりを告げます。
われわれ人類もこのほうき星に言い様のない不安を感じるのはもしかして先祖のDNAが残っていて呼び覚ますのかもしれませんね。
今日、12月21日はまた64年前の南海大地震の起こった日でもあります。大津波が起こり、千人以上の死者がでました。今度いつ起こるかもしれません。中継の赤黒い皆既月食をみていると遠くない日ではないのかと不安にさいなまれます。
人の世、天変地異はあり得ること、しかし、老い先短い、やまさん、生きてるうちは
どーぞ、おこらえなして
1 件のコメント:
何かが起こりそうですね。
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