2011年9月25日日曜日

湯けむり旅情 その2 秘湯の旅

 今日紹介するのは「桜の湯」温泉、なぜ秘湯かというと、地図やネットで探しても見つからないのである。もう数十年も昔に入った温泉宿だから潰れてしまったのかもしれない。
 場所もだいたいは思い出すが正確にはわからない。青森・下北の「恐山」を見ての帰りだった。平地に下りるまでの恐山道路の道沿いのどこかである。

 夏の旅行シーズン中、おとこ2人の車の旅で北海道を観光した帰りであった。函館から最短距離の本州行フェリーは青森・下北の大間に着く(2時間弱)。
 帰り、東北も見ようということでまず最初は大間からも近い恐山にした。
 恐山は火山性の噴出物が作った地形で今もガスや熱湯が湧き出ている。風景はまるで地獄や賽の河原のような岩場の荒涼としたところである。宇曽利湖という火山性の湖もある。
 おとこ2人のきままな車の旅で泊まるところも行き当たりばったり、飛び込みで泊まったのが恐山から下山する途中の温泉民宿であった。
 民宿の別棟にある温泉の裏は恐山のような風景で、ところどころ硫黄がこびりついた白茶けた岩場である。そこから突き出たボーリングの汲み上げ装置から直接こちらの温泉まで樋が通って湯を注ぎこんでいる。まぎれもない「かけ流し」である
 下はイメージ図、実際の恐山の写真との合成です。
 さて、この温泉の「桜の湯」の名前である。いったいどうしてこんな花の名前なんだろ、温泉に入るまでは疑問であった。
 そして温泉の説明書きと、風呂上がりの自分の体を見て納得。体が一面発赤したようになっている。風呂でほてった為とは少し違う色で、赤の色合いが濃いような気がする。
 日に焼けていない腹とか腰の色を見て

 「なるほど、桜色と云えないこともない。これで桜の湯というのか。」

 説明によれば、泉質は酸性度が高くて皮膚がこのように赤くなるとのことである。さらに10分以上は入らないように注意してあった。

 いままでいろいろな温泉に入ったが、湯上りで体が桜色になるから「桜の湯」のネーミングは初めてだったので、今でも強烈に印象に残っている。

 老人夫婦がやっているちいさな温泉民宿だから今はもうなくなったのかもしれない。ブログに書くためいくら探しても見つからない。もし、今も存在すればまさに「秘湯」であろう。

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

 恐山の「桜の湯」ですか、今は無いと考えると神秘性も一入ですね。
 私も就職してすぐの夏休みに、同僚の先輩と二人で北海道へ車で旅しましたが、日数が短かったせいか東北には寄った記憶がないです。大間の港だけは覚えていますが・・・。恐山行ったらよかったな〜。しかし風車がなんでやろ?当時の写真ですかね?\(◎o◎)/?

yamasan さんのコメント...

 え~、しんさま、大間が一発でわかったとは!四国人で大間へ行ったことある人はごく少ないですよ。

 恐山の風車の解釈は2つあります。
 賽の河原は極楽へも地獄へも行けぬ年端もいかぬ幼児の魂が集うところ、風車はその象徴とも。
 もう一つはここの風車は風もないのに回るとか、そんなときは身近に霊がきてるとも。