阿讃の山ふところ深く入った温泉で夕べ、山の端にかかる十四日月を眺めながら、露天風呂に入ったなどと聞くと、うらやましくて仕方がない。
私も時々、一番近場の御所「ローマの湯」に入りに行っているが、いつ行っても人が多い。また露天風呂とはいえ、月どころかまわりの景色さえ見えやしない。ただ長方形型の天空が申し訳程度にみえるだけ、
「ああ、どこか、行ったことのない変わった温泉にでも行きたいなあ」
朝、ブログのコメントをチェックしていて、阿讃にかかる月を眺めつつ露天にはいった。などというのを読めばその気持ちはますます嵩じてくる。
「行きたい、行きたい、行きたいよ~」
ところが今日は運のめぐりあわせがよい日みたいで、朝、茶飲み友達から電話がかかってきた。今日は仕事が休みなのでお誘いの電話である。
「どこか、温泉へでも行く?」
私の願いを先取りしたような第一声に飛び上がらんばかりに大喜び
「行く、行く、」
「で、どこにする」
「迎えに行くまで決めとって!」
さっそくネットで検索しました。こういうときってネット引いててよかったなと思いますね。
徳島の温泉口コミ情報で
第一位は 「御寶言泉」 小松島・赤石とある。
なになに、「おたからげんせん」、もちろん行ったことも聞いたこともない。
「う~ん!名前からして御大層なネーミング、ここにしよ」
さっそく行きました。玄関です
入浴が午前中だったためか非常にすいていました。湯船に客は0人、おかげで写真を何枚も撮りました。
下が露天風呂、内部から見たところ
露天に浸かり、湯を撮る、湯を掬う手は私
口コミ情報第一位だけのことはある。泉質が独特で、好みもあろうが私は非常に気に入りました。
肌触りは「ぬるぬる系」、特徴的なのは「色」、写真では「白い濁り湯」にしか見えませんが、陽光の元で見ると、「青味がかった白の濁り湯」で、陰では「紫っぽく」見えます。
私が独自になづけて「菫(すみれ)の湯」
芳香系ではないが微かな匂いもあります。
いかにも効きそうなお湯です。月並みな言葉じゃけど
「極楽、極楽!」
出た頃、おなかも空いたのでこの温泉の食堂で「ワンコイン定食」を食べる。
この温泉、名前に「寶」(当用漢字では「宝」)が入っている。この文字がなんか私の記憶の奥に引っかかる。はてなんだろう?
この「寶」と「温泉」、私の脳内のどこかで結びついているぞ!
しばらくして思い出した。温泉好きの天皇、「斉明女帝」(飛鳥時代)のお名前が「寶」皇女(たからのひめみこ)。
日本史通なら知っていると思うが、女帝が和歌山の「牟婁の湯」に湯治した時、有馬の皇子の謀反が発覚した。(おお~この有馬も温泉つながりじゃ!)
また、九州に行幸した時、今の「道後温泉」に逗留したといわれている(当時の熟田津)、当然、大和からの長旅で疲れた老女帝は長めに湯治したに違いない。
『熟田津(にきたつ)に船(ふな)乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな(万1-8)』
という和歌は額田王でなく、斉明女帝が作ったともいわれている。
牟婁の湯、道後の湯、と斉明女帝(お名前は寶皇女)は深い関係にある。寶と温泉のつながりをちょっと思った。
温泉についてさらに詳しく知りたい人は下クリック。
http://www2.tcn.ne.jp/~forwards/otakara.htm
テンペスト君こんなに近くにいい温泉があるなんて羨ましい。毎日入りに行けますね。
2 件のコメント:
御寳言泉ですか、1~2回行ったことあるような気がします。たしかにお湯は白くて良かったように思いますが、露天が狭くてサウナの後、ゆっくり妄想するばしょがないので、残念ですが行かなくなりました。 温泉は勿論お湯がたいせつですが、サウナの後の水風呂が格別です。その後の余韻を外でゆっくり味わう腰掛け椅子と景色が必要です。筋肉痛の時は、ジェット泡風呂もかかせません。えびすの湯の電気風呂は県内では唯一無比で癖になりますが、店長の目付きが嫌いなのでやめました。奥さんは綺麗な方なんですけどね。(((^^;)
いろいろコメントを聞いていると「温泉大好き」というのがよくわかりました。
県内では私よりずっといろいろなところへ行ってますね。
またいろいろな種類を楽しまれててうらやましいです。
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