今回のブログのお題は「ぬの、ふくについて考えたこと」である。その動機というのが、昨日某県立博物館でみた企画特別展示であった。展示主題は『アットゥシと太布・(副題)糸がつなぐ文化』である。ちょっと説明をくわえるとアットゥシはアイヌの伝統的な衣服で、樹皮から作られる樹皮衣である。太布は伝統的な(ということは古代以降近世まで作られた)布で、木綿以外の植物から作られたもので、とくにわが阿波で作られたものを阿波太布と呼んでいる。
ぬの、ふくが展示してあるが、いずれも(製作はたとえ現代に近くとも)古代以来の方法で作られている。すべてを見てからのまず第一の感想であるが、
「生地はえらい荒い目やなぁ、目ぇが薄ぅなって細かい細工がよ~みえんワイの目にも、ずいぶん織り糸が太くて荒いから、縦糸横糸の絡みが十字格子状、いわゆる平織りの生地であることがよぉわかる。」
「これ肌触りはゴワゴワしとるやろな、あまり快適な服とはいえんなぁ、それにアイヌの居住地は寒冷地じゃけんど、こんなんで防寒になるやろか、布をあわせて間に羽毛なんどいれていわゆる袷(あわせ)の防寒服にするんやろか」
「ほうじゃ、ワイの小ンまい時、近くに農協の倉庫があって、穀物なんどを1斗袋に入れてたくさんつんであったが、その袋は荒い布地でたしかぁ~、ほうじゃ、ドンゴロスって言いよったわ。ドンゴロスって、昔みたテレビ人形劇ひょこりひょうたん島にドンガバチョって出てきたが、なんか南米系の名前みたいやなぁ、このドンゴロスっちゅうのはワイらの地方の方言やろか、ネットで調べると子ンまい時聞いたドンゴロスはちゃんとした名前であった。別名南京袋ともいうそうや、そのドンゴロスと見た目ぇそっくりや」
「ほにゃけんど、順番からゆうたら、まず糸があってそれを布に織り、それから裁縫してようやと服じゃ、人類は生まれたときは当然、猿のようにすっぽんぽんの裸でくらしてたんや、それが、かなりややこしい細工をして糸から布、服って、どんな革命的な変革、それを促したきっかけがあったんやろ、ちょっと考えてこまそ」 というわけで少し考えてみることにした。
その前に、下に主な展示内容をあげる。
1⃣ アットゥシの展示
2⃣ 太布で作られた襦袢(肌着)
3⃣ それらの布を織った道具(あえて機(ハタ)とは言わない)
下のように糸をそろえて織っていく4⃣ 3⃣の織る道具と江戸期に使われた機(ハタ)を並べて比較してみる
考察(考えたこと)については次回のブログでアップします。
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