今日は「鴨島大菊人形」の紹介ですが、一方的な記述を避けるため、本日は二人の対話形式でイベントを紹介したいと思います。まずキャラの簡単な紹介から
👨 20代後半のサラリーマン、早くもくたぶれがみられる、真面目一方でやって来たためか、彼女いない歴も年齢と同じ、常識人だが融通が利かない、ITが得意で勉強好き キャラ名はヒロシ
👩 年齢は絶対言わないため不詳だが、一度口を滑らせて、徳島大空襲で東の空が赤くなったのみたわ、と言ったので80才はとうに過ぎている勘定、香水キツイ厚化粧で、本人は40才前後の上品で美しいオバさまに見られたがっている元気なオバハン キャラ名はビデ夫人
鑑賞する二人
👨 今、吉野川市役所の敷地内で菊人形をやっていますがビデさんはもう見られましたか?もし暇ならボクと一緒に行ってみませんか。
👩 あら、うれしい、デェトみたいね、母子と見られたらいいけど、恋人同士とみられたらどうしよう、知り合いにあったらあなた、うろたえるんじゃない
👨いえそんなこと気にしませんから、さぁ一緒に行きましょう(内心)それはない!むしろ祖母孝行やってるのかなと思われるわ!
さぁ着きましたよ。
👩 あら、菊人形だけじゃなく、菊の品評会もやっているのね。鉢の菊や懸崖菊はまだ蕾や開きかけが多いわね、ちょっと早かったかしら。
👨 そうですね、遠くから来る人はたびたび見られないので、この開き具合だと数週間後の盛りに見に来ればいいかも知れませんね、来月の20日までやってますからね。でもビデ夫人や僕は町内だからたびたび見に来ればいいじゃないですか。
次のメインの「菊人形」のブースを見ましょうよ。
👩 まぁ、こちらの菊人形は小菊で作られているからか、菊もきれいに開いて衣装もきれいこと、うふっ、小菊といやぁ、十年前、祇園で舞妓に出てた時、わたし「小菊ちゃん」て呼ばれたのよ。
👨 (内心)あ、いかん、またボケからくる妄想が始まったか、話題をそらさにゃ、取り合ずブースの菊人形の場面、全部見てみましょうよ、
👩 毎年、大河ドラマが主題でその菊人形シーンをやってるそうね、この場面は今年の大河「鎌倉殿の13人」ね。ヒロシ君、なんでもよく知っているのに、このシーン、大河のどんなとこなのさ、さぁ早く私に説明してちょうだい。
👨 ビデ夫人、じゃぁ説明しますからよく聞いてくださいよ、まずこのシーンの主題名「頼朝旗挙」とありますね、頼朝の旗挙げ、すなわち伊豆の流人であった頼朝が京の平氏政権に反逆するため武装ほう起したことです。1180年のことです。そのシーンですよ。
👩 あら、そう、でもこの三人のうち、一人、坊ンさんがいるじゃないの、戦闘開始のシーンでこの坊さん、場違いなんじゃない、後白河法皇ってあるけど。
👨 いや、これは菊人形場面の作成上、大河のキャラを無理やり1シーンに詰め込んだのであって、頼朝、義時は伊豆の挙兵で直接協力しましたが、後白河法皇は京都にいましたからね。
👩 そう、なるほどね、でもこの坊さん、同じシーンに納まっていると言うことは源氏の味方なんでしょう?どうなの?
👨 う~ん、味方か敵かで分けるのは微妙ですね。そもそも後白河法皇は「一天の君」と言われる帝王ですから、彼が支持する源氏あるいは平氏が正統政権となり、それに反対するのが敵となります。そうすると1180年の時点では京都の後白河法皇を擁する平氏に反逆してますから、この時は頼朝は建前は後白河法皇の敵となります。ですけど後白河法皇はなかなかの策士、日和見主義者という人もいますが、時と状況によっていろいろと支持する相手を変えています。まぁ、それだけ歴史好きから見ると面白い時代ですが。
👩 あぁやめて!よくわからなないわ、分かる話をしましょう。大河のキャストは後白河法皇は西田敏行。頼朝は大泉洋、義時は小栗旬でしょう。毎年の大河の菊人形の顔つき、年によって似ていることもあるしそうでないときもあるわね、以前の清盛だったかしらあの人形の顔は主役の松山ケンイチによく似てたわ、それに比べ義時は小栗旬に似ていないし、後白河法皇なんか西田敏行とぜんぜんにていない、これだれよ、って感じね。でも頼朝は横顔がちょっとだけ大泉洋に似てなぃ?三枚目で馬鹿ズラの感じが良く出てるわ。
👨 もぅ、ビデさんの批評は遠慮なしですね、
さぁ、次を見ますよ、えぇっと、このシーンは「北条の姉弟」となってます。義時は北条の総領、政子はその姉で頼朝の正妻ですよ。
👩 政子ね、この人はよく知ってますよ。女人ながら鎌倉幕府の隠れた将軍、尼将軍とか謂われたんじゃない。日本史上、女性が政治の第一人者になるのは希なのにたいしたもんだわ、私も女性として尊敬するわ。
👨 そうでしょうね、ビデ夫人と相性が合いそうですね。彼女は頼朝の正妻で二代と三代将軍の実母だから幕府の力を握ったのも分かるのですが、京都方から鎌倉が朝敵として追討令を出されたとき、彼女が鎌倉御家人の前で行った演説は幕府存続のため万丈の気をはいたものとして有名ですよ。だから頼朝正室そして将軍実母としてのお飾りの権威だけでなく、政治的な実力もあったと思われています。
👩 私もね、実はね(と急に声を落として)、祇園の舞妓からねぇ、某国の大統領に見初められてね正妻に迎えられたのよ、そして某国の大統領夫人になったのよ、だから私も鎌倉幕府の政子さんのように、彼女の苦労、分かるわ、でも悲しいことにクーデターが起こってね、私は追放なの、あぁ、政子さんのように気丈だと良かったんだけど、私はかよわかったの、クーデターの時は美人薄命で断頭台の露と消える覚悟までしたのよ、すんでのことで・・
👨 (ぁ、いかん、また妄想がぶり返した!)さぁさぁ、ビデ夫人!次のシーンにいきますよ。
次の場面、どこの、そしてどうゆうものかわかりますか。よく見てくださいよ。説明文も読んでくださいね。
👩 まぁ美しい(しばらくウットリ見つめ、おもむろに説明文を読む)、場所は花の吉野ね、咲きそろう桜、そして義経は日本の三大美男武将の一人ね、そして恋人の白拍子静御前も美女ね、舞姿も美しいわ、私が舞妓の時の踊りを思い出すわ(まただ!)、説明を見なくてもわかるわ、きっと悲しい別れね、説明にはこのあと謀反人義経の女として捕まり鎌倉に送られたとあるわ、なんという悲劇でしょう(ビデ夫人、ハンケチを取り出し泣く真似をする、このような場合、一連の所作が終わるまで放置しておくのが一番)
👨 (十分時間を取った後)ビデ夫人、ちょっとボクが解説していいですか?確かに美しい花の吉野の花盛り、そして天下の美男美女、この上ない美しいシーンですが、史実をいえばこれはないですよ。吉野山に潜伏し静御前と別れたのは事実としても、花の季節じゃないですよ。旧暦の11月、冬ですよ、それは後に静御前が詠んだ和歌「吉野山、峰の白雪踏み分けて、入りにし人の 後ぞ恋しき」という歌からも花の季節じゃないと分かりますよね。また鎌倉に謀反人義経の女として送られますが、舞を所望されただけで許されます。このとき身ごもった義経の嬰児は殺されるという話もありますが、史実としてはわかりません。ともかくゆるされ、母と一緒に余生をおくります。その鎌倉に連れてこられたときの舞の歌が「しずやしず、しずのおだまき・・・
👩 (怒!)ちょいと!ヒロシ!あんたが歴史に詳しいのはよくわかったわよ。私のような美女と(どこが!)いっしょにこんな美しい別れのシーン見て、私が美しいわ、と感動しているのに事実だかなんだかしらないけどそんな無味乾燥な能書きならべてどうするの。だからアンタは今まで彼女一人出来ないんじゃない。こういうときはね、能書きなぞタラタラ言うんじゃないの、私と一緒に、フリでもいいから感動して、この白拍子静御前、まるでビデさんのように綺麗ですね、とかいうの、まぁ、ヒロシに比べたら私は少し年増だから(少しどころか半世紀以上あるわ!)、言いにくかったらせめて「この静御前、ビデさんの若いときに似てるなぁ、楚々とした美しさなんか今でも変わりませんよ」とかいうの。女はそういうのに弱いの。まったく、ヒロシは、ムードのあるとこでお経を唱えるようなもんよ、わかったわね。
👨 (トホホ)はい、肝に銘じます。これで大河ドラマの3シーンは見終わりましたが、次にもう一つ「ゆるキャラ」菊人形があるから見てみましょう。
さあこれです。
👨 わが吉野川市のゆるキャラのカップルです。「ヨッピーとピッピー」とあります。恥ずかしながらボク、吉野川の住人ですけどご当地のこんなゆるキャラは知りませんでした。ビデさんは知ってましたか。
👩 私はとうにご存じよ。
👨 それにしてもこのネーミングのいわれはどこからきたのかな、ボクはそっちに興味があります。奈良の「セント君」は2010年の、奈良平城京の遷都1300年祭から来てるし、「クマもん」のクマは熊本の熊だし、いったいなんだろ?
👩 まったく、アンタは!小利口なくせにこういうのは知らないのね。よぉ~に聞ぃときや、今を去ること200年ほど前、このあたり一体は低湿地だったの、だからね作物の実りも悪く、貧しい家が多かったわけ。
👨 (歴史好きのヒロシ君、俄然、興味が沸き起こり真剣にビデさんの話に耳を傾ける)おお、面白そうな話になりそうですね、ふむふむ。
👩 あまりの惨めさを忘れるため、亭主は嫁をひっぱたいてなけなしの金を引っ張り出し、酒を飲んで酔っ払ったわけ、
👨 ふんふん、それで
👩 残された嫁や子は食うや食わずで体力も衰えきっていた、また住んでるところは低湿地だったため赤痢まではやり弱った体を襲ったわけ。亭主は一日中酒を手にし酔っ払い、嫁子は赤痢や流行性の胃腸病で腹を下し息も絶え絶え。
👨 うわぁ、悲惨ですね、それからどうなりました?
👩 どうなりましたって?それでおしまい。
👨 ちょとビデ夫人!それがなんでゆるキャラのネーミングになるんですか、わけ分かりません。
👩 だから亭主は酒に酔っ払い「ヨッピー」君で、嫁子は下痢腹、ビチ糞で「ピッピー」ちゃん。
👨 え!(目が点)、それホントですか。
👩 馬鹿ねぇ、嘘に決まっているでしょ。でもそう覚えればアナタ、この名前もう覚えたでしょ。
👨 確かに、酒にヨッピー、とお腹がピッピー、しっかり覚えました。でも本当はどうなんです、それが分かりませんが、
👩 ふん!こんなド田舎のゆるキャラなんてどうせ大した理由なんかないわさ、そうとでも覚えておきなさい。
👨 もう、ビデ夫人は無茶なこと言いますね。
👩 これでもう鑑賞は終わりね、私なんだか疲れたわ、少し足元がヨッピーだから、ヒロシ、アナタ、優しくアタイをおぶって帰って頂戴。
2 件のコメント:
やまさん、おもっしょい。
菊人形での鎌倉殿を見て、
よくまあ、そんだけ飛躍した空想解説ができるんかと、感心したわ。
やまさんは、創作力があるなあ。
いつもは、学者並みの知識と研究心で、レベルの高い内容やなあと尊敬してたけど、フィクションもうまい。
>>カルロスさんへ
久しぶりですね、お元気でしたか、いい季候になったと思ったらずぐに朝晩寒くて答えています。カルロスさんも体大事にね。
おもっしょい、と言ってくれてアップした甲斐がありました。この鴨島大菊人形のブログは毎年必ずネタで挙げているので、もういい加減同じパターンで繰り返すのもどうかと思い。まったく馬鹿話などを交え今回は対話形式にしました。
ビデ夫人って年配の人なら、あ、あの女性だ、と思いつくでしょうね、パロディーのキャラです。微妙に名前を変えてますが、名誉毀損かも知れませんね。
中世誰か言ってましたが「日本は女人入眼の国」、女性が元気でリードをとればうまくいくと言ってますから、ビデ夫人にはもっと活躍してもらわねば。
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