2020年12月6日日曜日

先週始まった朝ドラ、え、え?そうだったんじゃ!

  昨日は土曜日、朝、ぼんやりとBSでMHKを見ていると、一週間分の朝ドラの総まとめをやっていた(6話分だから15×6で1時間半か)。

 「あぁ、そういやぁ、今まであった朝ドラ、古関裕而を描いたエールが済んで、今週から新しいのがはじまったんや」

 途中から見たので物語の出だしは見逃したが、流れている場面は、見たところどうも明治か大正の農村の雰囲気である。貧しそうな家、頼りなさそうな父(たぶん)そして継母だろうか着飾っている、おそらく敵役だろう、主人公は7~8歳の女の子で弟がいる、とここまで見ればだいたい今まで見なれたパターンの、苦労をものともせず成長につれてだんだんに大成していく女子を描いたものであることがわかる。

 時代や身につけているボロな着物、そしてまだ幼い女主人公を見ると大昔に見た超人気の朝ドラ「おしん」を思い出した。ところが見ていくと、この女の子、おしんのように「辛抱」するような子でなく、継母と負けずに堂々とやり合っている。なかなか気の強い子であるようだ。見たのは一週間のまとめの最後の方だけであったが、おしんとは性格の違う気かん気満々の、ぷっくり頬の膨れた顔、幼女とはいいながら、大人になってもおそらくはそう美人にはなりそうもない顔、でもワイはこんな明治大正の子どもの歴史顔って好っきやわ。明治大正頃にはどこの農家にもいるような少女の容姿、そしてガイな性格といいちょっと興味がわいてきた。

 ところがギッチョンチョン!次週の予告を見てずっこけた。


 なんと、いつのまにやら大きくなって田舎田舎したきかん気の女の子が韓流や華流の時代劇のお姫様もかくやとおもわれるような(一応着物だけは粗末になっているが)楚々とした美女になっているではないか。ファッションモデルや美女アナなら似合いもしようが、なんであの田舎のおぼこな子ぉが、こないになるんぞぃ!

「体が痩せすぎじゃわい!顔が綺麗ぃんはしゃぁないとしても、少なくとも下半身は頑丈で太ぅなきゃぁあかん、大根足、デカ尻ならなおよい」

「首も細すぎる、いったい何者のキャラにするつもりぞぃ、やるのは女の丁稚はんか女中はんやろが」

 とツッコミを入れたくなる。それみたらもう見る気ぃ失せてしもうたわ。「もう見ちゃれへんわ」と決心してこの話はそれで終わった、と思った・・・

ところが 

 図書館には最新に購入した新刊本貸し出しコーナーがあり利用者の便宜のため入ってきた入り口に近いところに、内容を確認できるように表紙を上に平で並べてある。今週はたくさん入ったようで30冊以上並べてある。ふとその中の一冊に目がいった。左の本である。タイトルに覚えがある『水のように』、たしか浪速千栄子はんの自伝だったと思ったが、よく見ると間違いないこの表紙の写真は浪速千栄子さんである。(若い人は知らんやろなぁ、亡くなってもう半世紀近くなる

 なんと珍しい、この本、覚えがある。ワイが高校生の一年のときやから、ええと、昭和41年、1966年、いまから54年も昔、高校の図書館の貸し出しカウンタの真向かいの書棚にあった。なんで覚えているかというと、当時は女優の自叙伝なんかは珍しく、また高校の図書室の本の中では異色の軟派な本であるため、覚えていたのだ。目が行っただけではなく、多分借りて読んでいるが、内容はきれいさっぱり忘れている。

 「なんで、また、そんな大昔の本を、それも浪速千栄子はん亡くなってもう半世紀近くもたつのに、復刻の新刊でだしたんやろ」

 初版の出版は1965年とあるから、まさにワイが高校の時読んだのがその初版だったのだ。内容はともかく、ワイが高校の時その図書室にあったというその懐かしさが先にたち、借りて読むことにした。(最近、老人性痴呆涙腺症がすすんだのか、高校時代のゆかりのものなどに触れると涙が出るほど懐かしくなってくる

 そして数ページ読んで、今日見た朝ドラの題とこの本が結び付いていることに気が付き驚いた。数ページ目に浪速千栄子はんはこう書いている。

「おちよやん」と申すのは、大阪弁のニュアンスをご存じない方にはちょっとおわかりにくいでしょうが、下働きの年齢の下女を総称して、そう呼ぶのが当時のならわしでございました。

 この本に出てきた「おちよやん」の言葉で、おそらくこの浪速千栄子さんの自伝が元になり今回の朝ドラがつくられたに違いあるまい、それで55年も前の大昔の本が復刻され新発売されたのも納得できると思ったが、念のためネットで調べるとやはりその通り今回のドラマのオリジナル本(もちろん脚本はそれに基づいて現代の脚本家が描いているのだろうが)であった。

 浪速千栄子はんは若い時、確かに美人だったがそれは明治大正期の別嬪さんである。なんぼぅなんでも今流行の韓流や華流時代劇TVのお姫様のような美人とは全く性質が違う。今回のヒロインはどう見ても後者の方じゃろ。ワイとしては配役ミスとしか言いようがないが、今様の美人でなかったら朝ドラのヒロインにはなれん!と言われればそれまでだ。こういうヒロインの一生を描くドラマでは往々にして子役のイメジとその大人になってのイメジとの差が大きく、違和感を抱くが、ドラマを見続けるには慣れるしかない。まあワイは、本の方は古い復刻版でもあり、懐かしく読ませてもらうが、朝ドラの方は遠慮しますわ。

 ちなみにワイの独断と偏見で言わしてもらうなら、子役の子ぉが大きぃになった役でいちばん似つかわしいのは「近藤 春菜」か「山崎 静代(シズちゃん)」がいい。どちらもお笑いのイメージが強いというなら、「安藤サクラ」なんかが適してると思う。

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