武漢ウィルスのせいで世は挙げて引き込もり傾向が続いている。家にいておとなしくテレビを見れば画面には欧米や東京その他大都会の感染者や重篤者のおどろおどろしい数字が乱舞し、ずぶとさのない小心ものはそれに脅しまくられている。もうニュスといえばほとんどそればっか、解説を聞いていると暗い予感にうんざりというより暗く沈まされるばかり、武漢ウィルスでくたばるより先に心の病を発症しそうである。
気晴らしをしようにも、金を持っているスケベぃな人はアルサロやフィリピンバー、ノーパン喫茶なんぞでパァっと遊んでウサを晴らせたろうが、今はそこいらは感染源で行ったらあかんちゅうし、金のない真面目モンのオイラのようなものは図書館や博物館、美術館、寺社詣りが楽しみだったが、そこも危ないっちゅうし、どうにもしょうがない。
花の季節、人気のないところで花見はよかろうが、なぜか結構人がそこもでている。まあ密集しなければ大丈夫だとはおもう。しかし満開になった今日はあいにくの雨、さすが公園には誰もいないので傘をさして花の下をフラフラ歩いた。
昨日、図書館でスペイン風邪を検索していて、百年前に内務省(今でいうと総務、厚生労働省を兼ねたような省庁)がスペイン風邪が収まったのちに出した報告書(冊子にしている)があったので借りた。
ちょうど百年前にパンデミックを起こしたのがいわゆる「スペイン風邪」である。まったく新しい感染症で、しかも呼吸器系にダメジを与え、死亡率も風邪よりダントツに高い、直接的に効果のある薬は全くない、まさに今はやりの武漢ウィルスに重なるところ大である。しかし百年前は今よりもっと状況は悪かった。全般的に栄養状態も悪く、他の感染症も跋扈し放題、衛生環境は今から見れば下の下、当然平均寿命は今よりずっと低い、まあそれは世界共通であったわけで特に日本が突出していたわけではないが。
そんな状況の中での死亡率の高いパンデミックが流行ったのである。この本はそれが終息したあと、内務省衛生局によって出された報告書である。まあ読むまではお役所仕事のおざなりの退屈な文章だろうと思って読み始めたが・・・
これは意外、現代の進んだ知識を持って読んでみても、当時としては驚くべき知見に満ちており、百年も昔大正時代の日本でこれだけのことがよくできたなぁと感心する、しかも統計もよくとられていて正確であるのにびっくりした。今はやりの未知の感染症の対処にも示唆に富む内容となっている。
専門的なので読むのにちょっと時間がかかるが、世は引き込もり傾向にあり、なんぞぅ楽しみゃぁないか、と探していたところにこの本である!精読すれば一か月くらいは楽しめそうである。
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