3日前の昼過ぎ、快晴だが気温低め、風がやや強く吹いている。五月の薫風とでもいうべきさわやかな風だ。例によって目的もなく日向の往還をウロチョロ歩いていると小公園があった。歩いても暑くはないが日差しがかなりキツイ。木陰を求め公園内に入り、木陰になっているベンチを見つけ腰を下ろし、手足を弛緩させてくつろいでいた。気分は上々、その時右わき腹に近い背中にチクリとした鋭い痛みがあった。その瞬間だけの痛みであったが、どうも虫に刺されたような痛みである。虫刺されとすると、下着とシャツ、薄手のジャンパを着ているので、それを通して刺されたのではあるまい。何かの虫が下着の裏に侵入し刺したことが考えられる。
まさか公園内でストリップするわけにはいかないから、ズボンからシャツを外に出し、下着のなかに手を入れて刺された部位の皮膚を触ってみるがそれらしい虫を手指で確認することはできなかった。ベンチを見ると蟻が這っているので蟻かもしれないとおもったが、実のところわからない。まる一日以上たった昨日、その背中を手指でなでるとプックリ膨れている。触ると少し痛くて、しばらくするとかゆみも出てきた。これは虫刺されに違いないと、遅まきながら虫刺されの薬チンキをつけた。一日たった今もその部位は腫れていて軽度だが痛みともかゆみとも表現できないような複雑な違和感がある。普通、蚊などに刺されたらすぐにかゆみが出てくる。この発赤とかゆみの遅さは蚊とは違う害虫に刺されたのだろう。
これから気温も上がり湿度も高くなる。害虫が出てくる季節となる。蠅だのゴキブリだのは、ワイはあまり気にしない。家にぞろぞろ這おうがブンブン飛ぼうが、なんちゃかんまん、と思っている。嫌なのはワイの身体を刺したり、吸ったりする害虫である。蚊、ダニ、南京虫、ムカデ、ハチ、などである。
数年前まではそれが嫌さに、殺虫剤を必要以上にたくさん振りまいていたが、薬剤の方が体に悪いのでやめた。家の中は、ものすごっく、ひこづりさがしている。害虫発生には好条件を提供しているようだ。それなら片付ければいいと思うが、ものぐさなのでそれもよ~しない。言い訳としては我が家の昆虫の世界にも生態系があって、我が家独特の捕食上位者の昆虫の生態系ピラミッドが存在する。例えば蠅とかダニが増えればその捕食者のクモ類(ハエ取りグモ)が増え、ぞろぞろ出現して蠅やダニの数をある一定数に抑えてくれる。というものだ。それでいえばうちの家の最上位のプレデタァは(捕食者は)ムカデだ。それが証拠に害虫の季節になると、たくさんのハエ取りグモが元気に飛び回っているし、夜は大中小のクモが這いまわっている。クモはワイを刺したりもしない、完全な益虫である、クモはワイにとって、愛(ぅ)い奴よのぉ~!である。
ただ蚊だけは家に中に関する限り、捕食者の昆虫はいないので「電気蚊取り器」を使っている。しかし蚊には外で思いがけず刺されることもあり、季節ともなればある程度蚊に刺されるのは覚悟している。大昔、まだワイが若かったころは、かなり重度の(偏りはあったが)害虫忌避症であった。蚊に刺されると日本脳炎にかかるかもぉ、とか、蚊によってフィラリア原虫が血中にもたらされ、金玉(陰嚢)がドッジボールくらいになり、タヌキの大金玉と陰口をたたかれ、日陰の身で一生過ごすのか、とか心配したが、この歳になるとまぁそんなのは杞憂だ。
しかし数日前のように、蚊以外のわからん害虫に刺されるのはちょっと気になる。一年に数度はこのように何の虫やらわからぬものに刺された発赤、かゆみ、その部位の重い鈍痛がある。正体がわからぬだけに大事になりゃすまいかと心配する。
大昔、アンモニャとか唐辛子チンキの入った水薬の「きんかん」というのがあり、虫刺され(肩こりにも)よく効いたが今はないようだ。祖父の薬箱にはいつも入っていて、かなりなかゆみでもこれを塗るとおさまった。ネットで見ると写真が出ていた。そうだこれだ(左写真)。大昔のこのコマシャルソングも思い出したぞ。♪~キンカンぬってまたぬって~肩の痛みに~キンカンぽん!何とかかんとかで・・嫁をもたさにゃ、なおらない~ て、治るのは薬じゃなく嫁を持つからなのかよ、と突っ込みを入れたくなるなんとも不思議な歌じゃった。
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