2012年6月7日木曜日

老化と不死


 生物は老化し、やがて死ぬのは宿命なのだろうか。生物を細胞と入れ替えてもよい。老化しない不死の細胞があるのだろうか。

 科学と神話を同一に扱うのはおかしいが、神話(古事記)にこんな話がある。岩のように醜く、動かず、生きているのやら死んでいるのやらわからぬ「岩の姫」は不死の象徴であり、咲く花のごとく匂い、美しく、愛でられる花のような「この花咲くや姫」はつかの間の生、死ぬべき命を象徴する。

 これは生物科学においても示唆に富む話ではないだろうか。

 私は考える。もし、不死の生物(あるいは半永久的に生きる)があるとしても、おそらく不活発で、原始的で、代謝も乏しい、もちろん精神的活動など見いだせない生き物であるだろう。

 太古、神は生物に迫ったかもしれない。このような性質をもって不死の道を選ぶか、それともこの花咲くや姫のように、死すべき運命ではあるが、華やかに生きるかを。

 後者を選択した生物は、万物の霊長に発展する道を歩き始めた・・・・・

 「じゃあ、そんなのはいいから、老化せず、不死の道を選んだ生物は?」

 生物の細胞にとって老化をもたらすものは、「光(電磁波)」「酸素」。しかし、光合成により光を利用することによって生物は地上への切符を手にした。紫外線を含む光は細胞を破壊老化させるものではあるが、また、植物にとっては絶対必要なものとなった。植物に寄生するといってもいい動物もそうである。

 また、酸素は細胞体を酸化させ老化の元となる。生物にとってそもそも酸素は有害物質であった。しかし、効率よく体を動かす動物にとって、この酸素は有害だが、酸素を利用した「呼吸」はエネルギーのを生み出すためになくてはならないものになった。

 そうそうなのである。有害な光と酸素を利用し始めた時が、神様の選択の分岐点だったのである。これを利用することは「老化の素」を取り込むことであり、老化・死は宿命となった。

 逆に、それの利用を拒否し、全く光のささない深海の熱水噴出口あたりで、効率の悪い化学合成(無酸素)を細々と行う生物は、不死と不老を手に入れたのではないか。

 長い年月、光に当たりすぎたためか、私の顔や手に老人性のシミができ、手袋やつばの広い帽子をかぶるようにして皮膚の老化を防ごうと思っている。それにつけて、そんなことをちょっと考えてみたのである。

 40億年前、神が、不死か、死ぬべき運命か、どっちを選択するといわれたとき、私がいたら、やっぱり

 「この花咲くや姫を選びます」

5 件のコメント:

WHOchan さんのコメント...

昨日行われたAKB総選挙で「大島優子」さんが二度目の1位を獲得しました。

アイドルというのも寿命が短く「花火」のような切なさを含んでいるように思います。

そこまでのレベルではなくても学校や職場のマドンナ的存在の女性もどこか儚げな人が多い気がします。

そのままの輝きで年を重ねていけないということなのでしょうね。

その点男は年をとってから脚光を浴びることもあるので不公平かも知れません。

まあ、比較的高年齢の大島さん(23才)が貫録の1位なので今年もAKBは安泰でしょう。

yamasan さんのコメント...

美少女ははかないものです。
 儚いから美しいのかもしれません。

 15から17がいいですね。23になるとおばさんぽくなってわたしは、ヤダな。

 どんな人でも年齢には勝てません。美しいまま・・をどうしても望むなら、江戸川乱歩の世界のように、美少女で瞬間冷凍するか、生体蝋人形か・・
 頭の中だけをお望みなら、美し時期にこの世から消えることをお勧めします。

 老枯れた美しさも探せばひょっとして存在するかもしれませんが、そんな高尚な美は遠慮いたします。

 美少女がええです。

Unknown さんのコメント...

「この花咲くや姫」にそのような意味があったとは知りませんでした。「木の花が咲くように繁栄するが、つかの間の生、死ぬべき命となる」ですね。
 じつは木花咲耶姫とは縁がありまして、彼女は富士山を神体山としている富士山本宮浅間大社に祀られていますが、私どもはここで結婚式を挙げました。マハリシが来日し、この神社に案内した時、「ここにはマザー・デヴァインがいます」と言ったからです。
天孫降臨で日向国に降臨したニニギとの関係と、宮崎出身の妻と、高天原があったとされる阿波国出身のしんちゃんとなんか関係があるのかな~(^_^.)/

yamasan さんのコメント...

古事記でも瓊瓊杵尊はこの花咲くやを選びますが、しんさまも美を選んだんですね。この神社はその象徴かもしれません。

 しかし、富士は不死につながるという伝説もあるなぁ~

 かぐや姫物語では、月へ帰るかぐやが置き土産においていったのは「不死の薬」しかし、帝はこれを惜しげもなく、いらん!といって富士で燃して煙にします。

 せんげん神社-このはな-死ぬ運命-はかなさ、でもその所在は不死の山・・・・
 どう解釈すればいいんだろ。

 奥さんの里は宮崎でしたね。私、この、この花咲くや姫がそこで出産したと謂れのある観光地に行きました。(確か・・鵜殿神社とかいったようないわなかったような・・)
 この花咲くや姫は出産時に元の姿、ワニに戻って出産します。
 オカルトっぽいですね。

yamasan さんのコメント...

鵜殿でなく鵜戸でした