私は明治生まれの祖父母に育てられたため、昔からの言い伝えや諺、今から考えると迷信に過ぎないのではないかと思われるようなことまで、よく聞かされた。
その中の一つに、「お盆は水遊びしたらいけない。恐ろしい禁忌に触れる。」というのがあった。
子供の頃は水遊びが好きでよく祖父にせがんで吉野川に連れて行ってもらった。(もちろん祖父の監視の下で)しかし、盆は絶対に水遊び禁止なのである。
なぜ?と尋ねたら祖父は
「お盆はな、地獄の釜の蓋が開くんじゃ。そのためあの世とこの世が行き来できるんじゃ。だからな、お盆にうかうかと泳ぎよったらあの世へスルリといってしまうんじゃ。」
人一倍怖がりの私は地獄とかあの世とか聞いただけで半泣きになったぐらいだから、この話は説得力がありその後も守ってきた。
大きくなって諺辞典などで調べると、この「地獄の釜の蓋の開く」というのは祖父の言ってたような意味と違うことがわかった。絶え間なく責めさいなむ地獄でさえお盆は鬼も閻魔も休むそうであり、いわば地獄の休日、そのため釜も休業となりふたが開く、のである。
つまり、「誰かれなく休む」という意味である。
しかし、昔から、またどの地方でも死んだ人の霊が帰ってくるお盆には泳ぐことは「禁忌」であった。祖父は子供にしっかりとその禁忌を教え込むため、なんか言葉も怖そうな「地獄の釜の蓋が開く云々・・」といったのかもしれない。
厳密には今日盆の終わり16日が「地獄の釜の蓋の開く」日である。
今日、自転車に乗って小松海岸海水浴場へ行ったら、海水浴場を閉鎖していて工事の車、人が撤去作業をしていた。
「やっぱり地獄の釜の開く日には泳がないんだ!」
監視小屋も壁、床板が取り除かれフレームのみになっている。シャワー室も取り払われていた。
暑い中ここまで来たが、せっかくだから今日は月見が丘まで自転車で行くことにした。
というのはここから月見が丘まで「自転車専用道路」があるのである。下の看板に誘われた。
ところがまあその距離の長かったこと。そして太陽に照らされ炎熱地獄。ぶっ倒れそうになりながら自転車を漕ぐ。
自転車道は下のような道、これが延々つづく。
1時間半かかってようやく「月見が丘海浜公園」へ着く。着くと同時に驟雨、ビジターセンターで雨宿り。
下がビジターセンター
この公園の中に面白い施設があった。「立待月鑑賞施設」。下がそれ
この台に立ち、体を後方にもたせかけ月を見る。まさに立待の月ですな。
実は今日はその立待月の日、旧暦の17日の月なのです。
近くにあれば午後8時ごろ、行って、この背もたれにもたれ月を鑑賞するのだが残念。
ちなみに旧暦で昨日の16日は「十六夜」(いざよい)
今日17日は「立待月」
明日18日は「居待月」
19日は「臥待ち月」
月は一日ごとに出るのが遅くなるから、最初は立って待っていたのが、坐り(居待)、そして寝て待つ(臥待ち)になるんでしょうね。面白い「月の相」の命名ですね。
私にとって今日はタクラマカン砂漠横断のような真夏のサイクリングでした。顔がほてって微熱が出た時みたいです。足の筋肉、腰、自転車に乗りすぎて痛いです。
明日、どういうことになっているか恐ろしいです。
4 件のコメント:
小松海岸の海水浴はお盆で終わりですか、早いですね、一般には8月31日まであいているみたいですが?やはり足を引っ張られる人が多いからでしょうかね。ただの引き波の干渉だとは思いますが・・・。
月見が丘海浜公園はついこの前行きました。結構いいところですよね。海が見えるし、芝生も広いし飛行機もたまに見えますね。
モアイ像のようなこの石板は珍しいので寄りかかりましたが、月を見るものだとは知りませんでした。今日が立待月なんですね、ということは今日はあそこに徳島県民が殺到するんですね、行きたいですが、混みそうなので家のベランダで窓に靠れかけて見ようと思います。月待ち信仰って風情があっていいですね、にわか信者になりそうです。(^_^.)
そんなに悪いことを書いたつもりはないのですが、スパム扱いになってしまったようです。月待信仰をいい加減にしようとした罰かもしれません。悔い改めます。(?_?)
いえ、今日は旧暦の18日だから、もう「居待月」です。
面白いことにこの公園、満月、立待ち、居待、臥待ちのそれぞれのスポットがあったのに気づきましたか。
臥待ち月のスポットはローマ貴族の安楽椅子のようになってましたよ。
前日のブログの運命の歯車の歌で、日々様相を変える月、その月のように我らの運命も変化する・・・・とたしか歌詞にありましたよ。周期があり待てば望月も来るから、人の運命を教え諭すたとえにはいいですね。
月の女神は「ダイアナ」というんだけど、これあの王妃だわ。
はい今日はしんさまに日本地理検定初級編問題
「立待岬」ってどこ?
わたしもモアイ像を想像しました。みんな最初の印象はよく似てますね。その次はソーラーパネル。で、わかったのは横の説明板を見てから。まあ、皆さんもこんなもんですよ。
「暗きより暗き道にぞ入りぬべきはるかに照らせ山の端の月」
(和泉式部)
今日は居待月でしたか、座って見れるので楽ですね。もうすぐ月の出です。緊張します。
立待岬は函館山の南東にある岬ですね。北海道は4回ほど行ってますが、ここは行ってないです。結構いいビューポイントみたいなので、こんど行ったらチェックしてみます。
では「居待月」させていただきます。(^○^)
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