2012年12月28日金曜日

三千世界と天人五衰

 パラレルワールドというとモダンっぽいが、古くから言われているのは(仏教で)、我々の住む広大な宇宙もしょせんは小宇宙でそれらは数多くあり、すべて同じ小宇宙を構成している。そしてそれらが集まり中宇宙、さらに上位に大宇宙・・・無限に近いぐらい数多くある宇宙にはだから我々と同じ世界もあるに違いないと考えていた。
 同じ進化の道筋をたどれば同じヒトが別の宇宙に存在するかもしれない。ただほんの少し違って同じような世界が展開する。こう考えるとパラレルワールドも納得できる。これは仏教の宇宙観である。華厳経でいう『三千世界』というのがそうなんじゃないかなと思う。

 世界に生きるヒトはある因果で次第にグレードが上がっていくとも考えられる。心は平安になり、争いはなくなる。寿命はほとんど不死といわれてもいいくらい長くなる。むき出しの欲望もすでにない。交わりも淡白になるらしい。
 仏教ではこのような状態のヒトを「天人」という。

 我々人間もそのような上位のヒトをめざしているならこれも仏教の言う輪廻の六道の最上位だ。しかし悲しいかな「天人」であっても「有情」(いきもの)である。極めて長く楽しく生きるが滅亡は免れない。仏教では「天人五衰」という。

 天人でも五衰して滅するが輪廻して別の世界(宇宙)に生まれるという。

 空には不思議な雲が
  帯紐のような薄雲はこれ、天人の羽衣、ちぎれた3つの雲は天人が降らす天花じゃないのか。

  よく目を凝らすと天人が見える

 我々の世界の最高位にいる天人に五衰の兆しはないのであろうか。天人五衰するときわれらの住む小宇宙も消えるかもしれない。

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

華厳経の『三千世界』なんていうのがあったんですね。調べると1000の3乗個、すなわち10億個の世界が集まった空間のことみたいですが、バシャールも人は一秒間に数億個の平行宇宙を行き来しているとか言ってましたので、あながち本当なのかもしれませんね。
 天人五衰は「六道最高位の天界にいる天人が、長寿の末に迎える死の直前に現れる5つの兆し」とありますが、その内容を見て笑ってしまいました。人に例えた象徴だとは思いますが、なんだろな~?
 雲の写真は、仕事で屋上に登ったところ、ほとんど雲のない快晴の空の東方を見上げると、大きな顔が見下ろしているように見えました。観音様が「地震は抑えたよ」と言って微笑んでいたのかなと感じました。(^-^)

yamasan さんのコメント...

しんさまの撮ったこの空の写真とても気に入りました。
 青空や雲を見ているとこのような多様で多種な世界が広がっていたり、天空に上位の誰かがいそうな気がしてきますね。

 この2枚目の写真もしんさまの写真がベースですけどいいでしょう。
 これを壁紙にして四方の壁に貼れば極楽堂の出来上がり。商品化しようかな。