今日のローカル紙(徳新)を見られただろうか。見開き2ページの全面がこれ
弘法大師空海特集、見出しには1250年とある。誕生してからの「数え」の年数が1250年である。実は今日は弘法大師が誕生したといわれる日である。記事の中でも本日はお大師さんの誕生日にちなんで、とあるから誕生日記念の特集記事なのだろう。
それにしても1250年も昔に生まれたのに、さすがお大師さんや、ちゃんと誕生の年月日もわかっているのか、と思われようが、これはキリストの誕生日が本当のところわからないように、お大師さんの誕生日がこの日であるというような証拠の「史料」はない。生まれた年については続日本後紀などの公的な史料から宝亀五年(西暦774年)ということはまず確かなことだが、月日となるとわからない。
では何を持って6月15日としたかというと、これは仏教の輪廻転生に基づいている。密教は大日如来を第一祖として代々師弟相伝で伝わって来た。わが弘法大師は第八番目の祖となる。お大師さんは第七祖である恵果阿闍梨(中国・唐、青龍寺)から受け継いだが、恵果阿闍梨は第六祖、不空三蔵から受け継いだ。この不空三蔵は南インドに生まれ中国・唐に渡り密教を伝えたと言われているが、その不空三蔵が亡くなったのが6月15日なのである。この不空三蔵は西暦774年に亡くなる。その年はまさに空海の生まれた年でもある。そこで不空三蔵の生まれ変わりが弘法大師空海であると信じられ、空海の誕生日が不空三蔵の命日の6月15日とされたのである。お大師さんの師・恵果阿闍梨のさらに師の不空三蔵の生まれ変わりが、恵果阿闍梨の弟子となる空海である、という関係になる。
弘法大師は札所の寺のご本尊とならぶ信仰の対象である。札所に弘法大師そのものを本尊と仰ぐところはないが、全ての札所には本堂とともに「大師堂」が必ずある。大師は本尊に勝るとも劣らぬ強烈な信仰を集めている。
本尊とともにある札所の大師堂ではなく、弘法大師を単体でお祀りしているところが各地にある。「○○大師」と呼ばれることが多い。前のブログの「お水大師」も単体の弘法大師がご本尊といっていいお堂である。
今日はお大師さんの誕生日ということもあり、そのような単体の大師堂をお参りしてきた。石井町にある「夢つげのお大師さん」である。旧伊予街道沿いの町中にある。
堂の中には石の大きなお大師像さまがいらっしゃる。お釈迦様の誕生会の花祭りのようにたくさんの花で飾られている。
天井には遍路札やこのようなものが貼ってあった。
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