2019年12月16日月曜日

東禅寺で不思議な童子がお出迎え

 昨日の日曜日もお不動さんにお参りに行ってきた。行った寺は石井の東禅寺、御本尊はもちろん不動明王さま。駅からまっすぐ北へ進んで西へ入ったところ、わかりやすいが前日の愛染院への「四国の道」とは違って交通量の多い車道を歩くので気をつけなければ危険だ。しかし脇道に入ってからは車の通行もほとんどないのでのんびりと歩けた。20分ほどで東禅寺が見えてきた。

 こじんまりしたお寺で築地塀もなくブロック塀である。現在工事中で庫裏は最近建て替わったばかりのようだ。境内には作業機械が入っているが日曜なので工事はしていなかった。

 本堂にお参りする。昨日の愛染院ではお不動さんの種子(梵字)の立札が目に付いたが、こちらの本堂は右横に「お迎え童子」の石像が立っていて目に付く。

「不思議童子」とある。

 昨日もブログで紹介したが、お不動さんは如来さまなどの三尊形式をまねて脇侍に矜羯羅(こんがら)童子と制叱迦(せいたか)童子を従えている。しかし不思議童子とはなんだろう。まさに不思議だ!この童子もお不動さんの眷属なのだろうか。実はそうなのである。お不動さんは矜羯羅(こんがら)童子、制叱迦(せいたか)童子を含めて36もの童子を眷属として従えているのである。その中には不思議童子もいる。

 今日私が本堂の前で唱えた「聖不動経」を見れば36の童子がいることがわかる。「聖不動経」はいくつかある不動経のエッセンスを短くコンパクトにまとめたもので礼拝時に唱えるお経としてふさわしいものである。次のようなお経である。

 まず右の本経を読誦する、そして本経につづいて左の36の童子の名を読み上げる(童子の尊称は省いて読む)いろいろな名前の童子がいるが、真っ先に来るのは矜羯羅(こんがら)童子、制叱迦(せいたか)童子、そしてズラズラ読んでいくと不思議童子もいる。お経にも入っているお不動さんの眷属の36童子なのである。

 そういえば先日行った不動町の密厳寺の境内にもお迎え童子がいたような?????撮った写真を見てみる。

 いたいた!本堂横ではないが入り口付近にいた。よくみると「伊醯羅童子(いけいら)」とある。上のお経で探すと伊醯羅童子もいる。

 今まで私は不動巡りを5ヶ所行った。建治寺⇒成田山不動寺⇒密厳寺⇒愛染院⇒東禅寺である。他にも「お迎え童子」がいるのか撮りためた写真を確認すると建治寺にもいた。下が建治寺の写真であるがよく見ると左下に童子がいる。解像度が悪いで別の写真で見ると


 こちらは波羅波羅童子(はらはら)のようである。しかし残りの二つの(上八万の)成田山不動寺と愛染院には「お迎え童子」はいなかった。お不動さんのお寺でもお迎え童子がいるのは「四国三十六不動霊場」のグループに属している寺であり、そのグループに属していない寺にはお迎え童子はいない。四国内の不動の寺を36のグループにまとめたのは不動明王の眷属である36の童子をそれぞれ一つの寺に配したためである。

 四国八十八ヶ寺巡礼、西国三十三ヶ寺観音霊場巡礼などは有名であるが四国三十六不動霊場巡礼ってあんまし聞かんがなぁ、と思って調べるとこの不動霊場巡礼の寺が立ち上がったのは平成に入ってから(元年)である。他の霊場巡礼に比べるとまったく最近に作られたものだ。だからどの童子の石像も新墓のようにきれいである。

 仏の尊格は上から、如来、菩薩、明王、天・・・などと続くが「童子」ははたして礼拝対象の尊格なのかとおもうが、日本の風土では神も仏もたくさん存在し、それも混然一体化している場合もある、あ~だこ~だと差別をつけず、上記の天以下の眷属であろうとすべて我々には礼拝の対象となる。生身の人間でさえ時によれば神仏が降りてきて一体化し拝む対象になる。特に小さい子供(童子)と高齢の白髭のジジイ(翁・おきな)にはよく神仏が降りてくるという。以前ブログで紹介した華厳経の入法界品に出てくる善財童子も遍歴の末に聖的な童子となっている。童子を礼拝の対象とするのも頷けることである。また謡曲や三番叟の翁(おきな)を見るとわかるが白髭のジジイにも神仏が降りてくる。

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