2024年12月12日木曜日

日本のジイやんのどたま(頭)の程度 

 10日びゃぁ前、各新聞に中学生の年代を対象とした世界各国分野別学力順位が載っていた。上位五か国を示す表が下である。三つの分野は、それぞれ数学、理科、国語分野である。まず、この表を見てどない思うかだが、これは世界81ヶ国参加の順位表であって、決してアジアのみで調べられたものではない。そう思うほど、上位五か国はアジアの各国が占めている(よく見るとかろうじてアイルランドが入っているが)。そのアジアの中でも極東(地理的な極東でアジアでもっとも東に位置する)に位置する国が優位を占めている。


 わが日本も三分野で五位以内に入っているから大したものである。なぜ極東諸国が優位かということについては、アジアでは比較的早くから近代化(西洋化と言ってもいいだろう)していて、また国民所得も近年豊かになってきたこと、それに子供の教育に熱心なことがあげられる。他にも分析すれば別の要因も見えてきそうである。例えば、この上表の日本を除く国々はすべて、過去、植民地化された歴史を持っている。シンガッパ(シンガポールともいう)と香港、アイルランドは英国の植民地、阿媽港・アマコウ(マカオともいう)はポルトガルの植民地、台湾、韓国はご存じのようにかっては日本の植民地だった。その因果関係については今の私にはわからないが、研究すれば面白いことがわかるかもしれない。

 まぁともかく、極東の子ぉらは世界でもおベンキョができるのである。それにしてもシンガッパはすごいなぁ、三分野で一位でっせ、しかし人口規模は500万びゃぁである。人々はすべて大都会に住んでいる。もし日本で比較するなら、東京の裕福地である世田谷、太田、杉並、港、渋谷区など合わせたくらいの規模の都市だろうか。そう考えると、このあたりの子ぉらがおベンキョが特にできるっちゅうのも納得できる。この辺りは日本でも高所得者が多く、親も教育熱心だから当然そうなるわな。そうするとシンガッパの子ぉらの学力が異常に高いのも当たり前か。

 これらの国で中学生(15歳)の学力(数学、理科、国語)が高いというのは国の将来を考えるとたいへん望ましいことである。ではこれらの国は将来優位か、というとそうとも言えないのである。懸念は少子化である。上記の極東諸国はどの国も少子化が著しい。また高等教育も進学率が高止まりの結果、これからの伸びは鈍化することも考えられる。これに対し、グローバルサウス(南アジア、アフリカなど発展途上の国々)は子どもも多く、教育機関の整備とともに着実に学力は伸びていくであろうと思われる。むしろこちらの国々の方が将来性があるのではないか。

 なんどと考えていたら、昨日の新聞に大人の学力の順位が載った。これもたいへん興味深い。下にその表を示す。大人(定義は16歳~65歳で、働く年代の人である)の三分野(読解力、数学、問題解決能力)の各順位である。

 大人の学力順位については子どもの学力順位とは大きく違っている。日本は入っているがそれ以外、極東の国々はない。ここでは北欧諸国が上位を占めている。国別比較で大人の学力がそこそこ高くなるのは、まず過去(一世紀以上前から)から現在に至るまで比較的高い教育を受けてきた人々が多いこと、そして社会の中で、生涯学習や職業教育、また再就職のための教育が整備されていることが考えられる。そのようにみると世界でトップレベルの福祉国家が多い北欧諸国は、先ほどいった『社会の中で、生涯学習や職業教育、また再就職のための教育が整備されている』が充実しているのであろう。逆に言えば子どもの学力に関してはトップレベルの極東諸国はまだまだ北欧ほどはそれらが充実していないということだろう。極東の国々の、親の子どもに対する教育の熱意には、親は貧しくて高等教育を受けられなかったが、子どもには無理をしてでも上級の学校へ進学させたい、というようなイメージを私は抱く。だから親の学力レベルは低くても子どもの学力レベルは上昇する。

 ここで日本をみると大人の学力レベルは北欧をもしのぐ勢いである。これは日本の生涯学習や職業教育、また再就職のための教育が北欧より優っているからではない。主に江戸期から明治大正昭和と続いてきた庶民の教育熱心さと、150年以上にわたる学校教育の蓄積の賜物であろうと思われる。それは幕末、日本に来た欧米人が、自国以上に「読み書き計算」が日本の庶民に普及していることに驚嘆したことからもわかる。そのような教育の蓄積が数百年営々と(江戸期から)続いたため大人の学力でこのようなトップレベルの順位になったのであろう。

 さて、後期高齢者に近いワイがここで知りたいのは日本のジイやんやバァやんの学力はどんなもんじゃろか、っちゅうことである。そのようなジジババの学力国別順位などは、どこの調査機関も調べていないし、これからもまず調べないだろうと思う。そりゃそうだろう、中学生ならば、これからの国、社会を背負って立つ人材となるのでその学力は重要であるし、また16~65歳までの働く大人なら、その学力や能力は産業活動、社会活動を通じて国の力にも結び付く、しかしリタイアしたジジババなんどはしらべたところでまず役立たないだろう。

 しかし世界における日本のジッジバッバの頭の程度(つまり国別比較の高齢者の学力)を推測することは出来る。上述した子どもの学力順位、そして(労働世代の)大人の学力順位などから考えるにおそらくご隠居老人の学力この場合は上の大人の学力の内訳、読解力、数学、問題解決能力)は世界トップレベルであろうとおもって間違いないと思う。

 だからどうした?と言われても困る。ご隠居はんだからその学力を仕事や社会活動をつうじて役立てることもないだろうし、動かず口だけ達者で小難しい理屈をこねるのもどうかと思う。しかし人生の最後にアホなジイやんで終わるよりお利口なジイやんで終わる方がエエわな。 学力=お利口、ではないがある程度の相関関係はあるだろ

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