2023年3月18日土曜日

春の弥生の狂乱スポーツ週間

  このブログの表題・狂乱スポーツ週間は私が勝手に名づけたものである。

 まず今日18日甲子園で選抜高校野球大会が始まった、いわゆる春の甲子園である。夏とは違い必ずしも各都道府県の代表が出ているわけではないが、オラが地方の高校生ということで毎年盛り上がっている。ワイんくの地方は城東高校が出場したが、城東高校が選ばれるくらい上手だとは恥ずかしながらしらなんだ。今日も好カードの試合があるが明日から始まる一週間は注目の強豪校対戦が並んでいて高校野球好きには目が離せない。

 まぁ勝ち進むに従って、狂乱の地域はぐぐっと絞られていくが、おらが地元でなくともプロとは違った高校生の野球に魅せられているファンもいるだろう。私は自分から野球などはしたことはないが、この歳になって、ボテッとした贅肉ならまだええが、それがたるみ下に下がり、顔ばかりか全身あっちこっちが皺となってしまい、動きも鈍く、歩きもヨタヨタになると、まるで若鮎が吉野川の堰の急流で跳ね上がるような高校球児の体やその動きを見ているとそれだけで気色(きしょく)が良い。がんばれ、と自然と応援したくなる。野球自慢の孫をもつジイちゃんのような心境だろうか(いないから想像だが


 そして全国的に野球狂乱に陥りそうなのが21日朝のWBCの準決勝・対メキシコ戦である。始まる前はここまでにわかファンが多いとは多分予想もしていなかったんじゃないだろうか。視聴率は記録を破りそうな高率で、なぜか普段なら野球など見向きもしない若い女性がドーム球場の内外に集まり黄色い声援をあげたらしい。私もテレビ観戦だがパチパチなどと拍手しながらその熱狂の一部に入り込んでいた。21日の準決勝、そして勝ち進み決勝を迎えたら、まさに野球狂乱の一週間になるだろう。もちろんにわかファンの私もテレビ観戦し狂乱に参加する。

 各スポーツ紙も大変やろ、時によったらスポーツどころか芸能ネタもナンチャ書くこともない暇ぁ~な週間もあるが今週は日本プロ野球開幕しての試合ネタ、高校野球ネタ、そしてWBCネタ、加えてマイアミの日本チームのだれそれが屁をひったというような、野球とは関係ないようなエピソドも記事になる、もう書くことが多すぎて困りゃせんかと思う。

 野球は知る人ぞ知る世界でもマイナーなスポーツである。アメリカで生まれ、アメリカでは往時世を揺るがすような熱狂スポーツであったが、最近は本場でも衰退傾向にあるようである。とするともしかすると今この時点での瞬間風速としての野球狂乱熱は日本が世界一じゃないんだろうか。

 なぜ、日本人がこのように野球を好むのか、野球が本来好きでない私はその分析も出来ないが日本人の気質、国民性 、文武にわたって道を究めるという日本の伝統などがその根底にあるのだろうか。それにしてもアメリカで始まった野球がこれほどまでに日本人の体質に合うとは、全くの驚きである。日本史ばかりを見ていると、その説明は難しい。

 ちょっと脱線するかもしれないが、明治の導入以来これだけ野球が好きだった日本人である。本家のアメリカとの戦争が始まった後でも、六大学野球、甲子園野球、途切れはしたが(中には野球選手でありながら出征した学徒もいた)、多くの野球好きの若者の心は戦時中も変わらなかった。再開できる時を絶対的に信じていた。それだけアメリカのスポーツである野球が好きで、アメリカと似通うスポーツ志向を持っていたのである、戦前でも、ハリウッド映画、ジャズ、モータリゼーションの浸透で個々が車を持つようになった豊かな社会、そして横溢する自由、一言で言うなら民主的な大衆消費社会、それは忌避すべきものでなく、多くが憧れ、好んだアメリカの文化であり生活様式であった(皮肉なことに敗戦をへてその社会は日本に実現する)。お互いに憎み合い殺し合う動機などは思いつかない。それなのになぜ日米は戦争をしなければならなかったのか、する必要のない戦争をしたのではないかと思ってしまう(これは日本・アメリカ双方に言えることだ)。


 そして狂乱スポーツ週間の第一日目の明日19日、日曜日は「とくしまやっとさーマラソン」が開催される。参加者7500名、招待選手やその他をいれると一万近いランナーが吉野川沿いを走る。

 野球狂乱に比べたら地味かも知れないが一般人の大勢の参加を考えると各地で開催される御当地マラソンの多さは日本のマラソン熱の高さを物語っている。これもまた社会学的な分析の対象になる、「なんで日本人はこんなにもマラソンが好きなのか? なぜ見る以上に、まるで参加することが意義であるように、高齢者までが幅広く参加するのか?」、そこになにか「求道」の精神があるのだろうか?一般のおっさんやおばはんが四十数キロ走り抜くのは伊達や酔狂では出来まい。



 マラソンは省エネ型のもっとも地球環境に優しいスポーツである。身につけるのは最低限ランニングパンツとランニングシャツ、東京オリムピクのアベベのように裸足で走った人もいるから高価な運動靴がなくても良い、豪華なアリーナ、球場もいらん、天然自然に近い道さえあればできる。こんなスポーツが好きな日本人はこの意味では誇っていいと思う。マラソン体型というのがあるとしたら、ホッソリだがスタミナはある人だろうか、そう考えると先進国の中どころか中国、韓国と比べても肥満率がぐっと低く国別にみた摂取カロリーもそれらの中で低いのが日本人である。この意味でも日本人は省エネ人類である。マラソン好きなのもなんとなくわかる気がする。

 そんな高尚・高邁な理由でなく、まさにスポーツの語源となった原点「楽しむ」ためと言うこともあるかもしれない。以前見た時は仮装した人が走る、ロバの着ぐるみ、ウサちゃんもいる、猫も、杓子も、なんだか楽しそう。この私だって途中リタイヤする覚悟なら皆に交じって吉野川土手をゆるゆる走り楽しめるだろう。(ハーフマラソン、10kmマラソンも、一般人参加型のマラソンとして多く開催されている

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