2023年3月22日水曜日

またしても?ちょっと気になる感染症

  昨日のローカルニュースで、わが県で初の『サル痘』感染者が出たとのニュースを読んだ(発表は20日)。新種の感染症のようだ。いままで聞いたこともない。徳島県のホームページで「サル痘」が広報されているので見ると、

 「1970年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)でヒトでの初めの感染が確認された、オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルスによる感染症で、中央アフリカから西アフリカにかけて流行しています。」

 とあるからやはり近年になって人の感染症として広がった病気である。徳島でも患者が出たことでその広がりが気になるところだが、その国内総数をネットで調べると今まで確認された患者が19例、しかしそのうち10例は今年になってここ一ヶ月くらいの間に発生したようだ。その一例が徳島である。

 コロナのような空気伝染はなく、接触感染であるが、統計を見ていて「これは?」という特徴があることに気づいた。患者のほとんどが「男性」であること、特に日本ではほぼ全員が男性である。

 接触感染なら空気感染よりは予防しやすい。患者に直接あるいは間接的に触れなければよいのだ。やはり徳島県のホームページによると

 「ヒトからヒトへの感染経路は、主に感染した人や動物の皮膚の病変・体液・血液との接触(性的接触を含む。)、患者と近くで対面し、長時間の飛沫にさらされた場合、患者が使用した寝具等に触れた場合により感染します。」

 とある。ここで私が注目したのは「性的接触」である。ほぼ男性患者、年齢は30~40代、アフリカに渡航歴もなく、海外の感染蔓延地への旅行もない、聞き取りでは多くの人は心当たりがないという。結局感染経路は不明となる。

 そこで思い出すのが「エイズ」が現れたときの感染経路である。初期には血液製剤使用者、そして対人感染としては「男性同性愛者」の濃厚接触により、広がったことである。

 しかし初期にはそのような性的接触感染があったかも知れないが広がるにつれ、異性、母子間と広がり、必ずしも同性愛者だけの病気ではなくなる。しかし当時はそのようなことにより、いわれのない人々が差別迫害に遭ったりした。

 そのような差別があったことを反省し、徳島県のホームページは「・・体液・血液との接触(性的接触を含む。)」と書いている。

 しかしほぼ成人男性が患者で、蔓延地への渡航歴もない、とすれば・・はたしてどのような感染経路なのか、個人的に明かせないから、不明で報告されるのか。

 現在の所、どのような状況なのか、はたしてごく特殊な人々の接触内だけの流行ですむのか、公的なホームページだけではわからない。

 しかしネットでは一般人のコメントとして下のような記述が多い。



 これはもし事実でなければひどい差別の書き込みとなる。このような疑心暗鬼にならないためにも、県、厚労省はもう少し踏み込んだ情報を出せないものだろうか。

 ※ 幸いなことにサル痘は重症化して死亡する例は日本ではまだなく、30~40代と言うこともあり比較的軽度な経過をたどり全快するそうです。また「種痘ワクチン」がサル痘の予防に効くが、1976年以降種痘の接種は義務化されていないので40代より若い世代は免疫がない。予防として種痘ワクチンは有効である。

2 件のコメント:

carlos さんのコメント...

最近、コロナは鎮まってきたように見えます。と言ってもこのまま終息するとは思えない。コロナに限らず、感染症はなくなることはない。

鳥インフルエンザも少しづつ人への感染者も出始めているし。鳥インフルエンザは直接に人へは感染しないが、豚に感染する。豚から人へ感染するそうです。怖いですよね。コロナみたいにパンデミックになると。
徳島昭和町一帯で人の殺処分終了なんてニュースになるかも。

yamasan さんのコメント...

カルロスさんへ

 既存の「世界史」と違う視点で「歴史」を描く本が最近多くなっています。新刊で借りた本に『反穀物の人類史』というのがあります。これは世界史の太古を扱うのにサルの一種としての人類の歴史という視点から描いています。

 この本には面白いことが書かれています。多くの人は人類の文明化が祝福ととらえられているが、ホントにそうか?かなり懐疑的に書いてあります。

 流れとしては、農耕牧畜の開始(余剰生産物)→階級の分化→都市化→国家の始まり、

 しかし著者によればこれは植物の栽培や動物の「家畜化」と同じように、人類もある種「家畜化」され古代国家の民となったと言うこと、文明化したといいながら、「ヒトの家畜化」は人口の集中、労働集約をもたらし、人類に「半強制的なキツイ労働」と、今まで家畜の伝染病、あるいはせいぜい風土病でしかなかった「感染症」が都市化、人口集中により、パンデミックとなり、また感染力も増し、恐るべき大量死をもたらすようになった。ペストしかり、天然痘、コレラなどなど、

 文明化され利便になったが、天然痘、ペスト、などで古代国家の三分の一~半数が亡くなったことも事実です(奈良朝に天然痘が入ったときはまさにそのような危機)。我々は古代国家を滅ぼしかねないパンデミックをかろうじて生き延びた子孫です

 このような言説を読むと、農耕開始前、文明化される前の狩猟採集の時代、日本で言えば縄文時代ですが、いっそ、そのほうが人類にとってエデンの園だったんじゃないかと思ってしまします。

 文明化とパンデミックは密接につながっているのです。でもいまさらどうにもなりませんわ。さらなる新種の感染症に備える以外ないでしょうね。