2014年6月4日水曜日
芸術的な性?
昨日からつゆに入った。さっそく今日は一日中つゆらしいうっとうしい天気となった。
昨日、徳島公園を歩いていたら、こんな花があったので撮影した。可憐な花をつけている。明るい青色の花で見ているとうっとうしさを吹き払ってくれそうだ。
『その名も つゆくさ』
さてまったく話は変わるが動物の性には雄と雌がある。なかには両性具有といって両方の性を持つものもいる。といっても雄と雌の両方の生殖作用を持つものは滅多になく、雌雄の外性器を二つ持つものである。自然の状態でもそのような両性具有がまれに現れる。アンドロギュノスと呼ばれる。
これらの雄とも雌ともいえない不思議な性は先天的なものであるが、ヒトの場合は後天的に(具体的には外科的処置を施して)、人工的に雄でも雌でもない性になることがある。ここで大事なのは『雄でも雌でもない性になる』ということである。
そういうと皆さんはいま流行りの?性転換手術じゃないの、と思いますよね。古くはカルセイラ魔奇とか、最近だと、なつな愛、とかがそうじゃないかな。これらのお方は確か雄から雌に外性器を変えたとか・・・
そうではありません。今、やっている性の転換は、雄⇒雌、あるいは、雌⇒雄 であって雄でも雌でもない性になるのとは違います。私が言おうとしているのは雄雌ではない、ま、いわば第三の性です。
自ら進んで、あるいは強制されてというのもありますが、ともかく後天的なものです。その歴史はたいそう古く、5000年は遡ると思います。いったいその人たちはなんと呼ばれたか?
「その人たちは宦官とよばれていました」
宦官は、幼児期が最も多いが少なくと思春期に達するまでに外性器を切り落とし、男性の機能を無くしました。ただし、切除にも二種類あって、陰嚢(キンタマ)のみを取り陰茎は残す方法、二つ目は陰嚢も陰茎も両方切除する方法である。
大昔とはいえなんでこんな残酷なことをするのか?そもそも宦官っていったい何者?宦官の仕事とは、皇帝や王様の多くの妻妾を外部から囲った宮殿(後宮という)の官僚、使用人です。皇帝や王様にしてみれば、後宮の管理・維持を任せる人が必要なわけですが、か弱い女性のみでは無理な仕事である。といって男をおいた場合、密通などされて子を孕ませでもしたら世襲制度が根幹から崩れてしまう。
そこで生殖能力を無くした男をつくり後宮の管理をさせたわけです。知力体力など身体能力は男と変わりないが生殖能力だけ持たない『宦官』は皇帝・王にとって後宮を安心してまかせられる臣下でした。ただ生殖能力はないとはいえ、その切除の方法によっては女性と性交できる場合もありました。陰嚢も陰茎も両方切除した宦官では性交は無理でしたが、陰茎のみが残っている場合は可能でした。後宮ではこのような宦官は少なかったのですが、イケメンで若い宦官などはこのように陰茎のみを残せば、後宮の女性を妊娠の心配なく楽しませることができる『生きた張形』として弄ぶことができましたから、こっそりと存在したようです。
全部ちょん切られた大部分の宦官は人生の最大の楽しみの一つである『性の歓び』を享受できませんね。何か虚しいですね。それでは廃人のような生き方をしたのでしょうか?いいえそうではありません。性の歓びは無くした代わりに他のセンスは磨かれ洗練されました。
中国の後宮にいた宦官は性欲は無くした代わりに、権力欲、芸術を求める欲、身を着飾る欲、そして食欲、を代償として求めます。食欲は誰でも持っている欲のため、宦官によって究極まで突き詰められ、おいしい料理が生まれてきました。世界に誇る宮廷から生まれた『中華料理』は宦官によって多くの料理が生み出され洗練されたといわれています。また一般的ではありませんが宦官の中には権力欲、芸術を求める欲、身を着飾る欲を強く求めた者もいます。それらの宦官は観劇、美術、音楽などのパトロンとなり、その洗練に力を貸しました。
また宦官ではありませんが声楽家の中には宦官と同じように男性器を切り取るものもいました。もちろん今はそんな人はいませんが18世紀までのヨーロッパには存在しました。思春期までにキンタマを取り除けば、声変わりもしませんし、喉仏も発達しません。少年のように高音部をいつまでも歌えることができます。このような歌手を『カストラート』と言います。超人的な声域を持ち、優美な声を出すため当時はもてはやされました。そのため多くの少年がこの目的のためキン抜きされたといいます。
今日はそのカストラートを描いた映画を紹介します。もし興味があったら鑑賞してみてください。決してエログロないかがわしい映画ではありません。芸術的価値の高い作品です。
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2 件のコメント:
宦官なんていうことがあったんですね!(._.)
考えただけで恐ろしい事です。でも、気の荒い犯罪者に適用したらおとなしくなるかもですね。映画はまだ途中ですが、イタリアって本当に素晴らしい国ですね!(^o^)/
宦官は中国、朝鮮半島まではありますが日本にはないんですね。おそらく日本は家畜を飼う習慣がないから「去勢」ということがなかったんですね。
刑罰で『宮刑』というのがあってちょん切られるのです。史記を書いた司馬遷はこの刑に処せられてもへこたれず後世に残す本を書いたんですからすごいですね。
最後の日蝕に向かってのパホーマンスまでみましたか?天岩戸の前のアメノウズメ???
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