JR運賃は来年に値上げになる。遠くへの移動が主に汽車である私にとってはまた一つ生活が窮屈になる原因となる。世の中、何もかも値上げである。スーパーに行って値札を見ると、夏頃と比べて値上げしていないものを探すのが難しいくらい、なんでもかんでも値上がりしている。当然、重油、灯油、なども上がっている。そんな中、JRは比較的良く持ち応えたものだと思わなければならない(値上げは来年になってそれも春以降と言われている)
マイカー社会になって久しく、JR利用客は減る一方だが、その中でもJR四国はもっとも企業規模も小さく、これ、もし公益性がほとんどない私企業だったらとっくに倒産しているに違いない。企業だから目的は利益であるが、運賃はそうそう企業の都合で勝手に挙げられないところが苦しいところである。人員削減、合理化といっても限度がある。安全性を担保しなければならないからである、それじゃぁ、どこかに売っぱらう、あるいは思い切って赤字部門を(つまり収益率の低い路線)を切り捨てるか、ができるかと言えばこれも公益公共の点からやりにくい。結局、赤字体質のまま衰微せざるをえないのだ。はっきり言ってJR四国ほど将来性のない企業もないだろう。
汽車の利用の衰微は各駅前の衰微と共振同調している。私が乗り降りするのは徳島駅以外では蔵本駅と鴨島駅であるが、これらの駅前のさびれようはただ事ではない。昭和の時代と比べると店の大半は消滅している。鴨島駅前はシャッタをしめた廃屋のような店が並んでいるし、蔵本駅前も大きな店はほとんどなく、こちらはなにか再開発の予定があるのかやたらと更地が目立つ。
日暮れのはやい師走、暗くなりますます寂しくなったこれらの駅前で点滅を繰り返し存在を示しているのが、冷たい色どりの蛍光のイルミネーションである。各商店街組合がせめてイルミだけでも賑やかにとおもったのだろうが、人気のないところでの冷光の点滅は、ますますわびしさを感じさせるものとなっている。
これらの駅に比べるとさすが徳島駅は徳島・鳴門・高徳・牟岐各線の終着であるし、バスターミナルもあるので乗降客もかなりある、駅前の店も賑わっている、12月になり旧そごうのアミコビルもリニューアルし、今日の日曜はいつになく客で繁盛している。ただ徳島駅前も表の見かけは華やかだが、裏通りにまわると客はウンと少なく、寂れた店が多い。ポッポ街の昭和時代、師走にはずいぶん人であふれかえっていたが今はまばらで閉めた店も多い。そんな状況の中、今日、徳島駅前のポッポ街を活性化させようと、城ノ内高校2年生の有志9人が、県産のユズやミカンを使った食品を提供する催し「ゆずとみかんのとくもぐすとりーとinポッポ街」を開いていた。その宣伝マンさんが駅の入り口付近で催しの広報をやっていたがその格好が面白いので、許可を得て撮影させてもらった。
これを見た時、私は「江戸職業づくし」のなかの『えぇ~、親孝行でござい』という職業(江戸ではこれも立派な稼ぎ職人芸)を思い出した。どんなのかというと、左のように一人の人間が前に等身大の人形を腰に結び、いかにも子が老親をおぶっているような格好をしながら、「えぇ~、親孝行でござい」とふれまわり、その親孝行(の芸)で人々からいくらかの銭をもらうというのである。
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