考えるとケッタイな名前のお寺だ(もっとも正式名は八坂山・八坂寺であるが鯖大師というほうが世間一般に知られている)。鯖はもっとも生臭げぇな魚である。魚鳥の肉食を忌避する(本来は)寺に鯖の名を冠するはちょっと不思議だが、寺伝によると、鯖に関する大師伝説があり、そこから通称名が由来している。
早いうちに讃岐をフリー切符でまわったので県南のどん詰まりに近い場所にある「鯖瀬駅」についたのは午後5時45分であった。寺は駅を降りたすぐのところにある。納経のなどの寺務は午後5時でおしまいだが参詣するのはまだ明るいので問題なかろうと思いつつ急いだ。
鯖瀬駅、ホームからは海が見える
小さな橋を渡ると駅のホームからほとんど隣接して見える六角堂の前に出る。馬頭観音をお祀りしている。参詣者の姿は全く見えないが駐車場に香川ナンバーの車が止まっていて、お堂の中からドンツクデンツク、ベチポンパンと太鼓の音と般若心経を唱える僧侶の声が聞こえてくる。たぶん車の人が頼んで御祈祷を挙げてもらっているのだろう。
観音様はいろいろに変化するため多く違った観音様がいらっしゃる(千手、十一面など)。みんなお優しい(母性的な)慈悲の相であるが、この馬頭観音様だけはお不動さんのような忿怒の相をしている。それだけにお頼みすれば、なんか馬力のある力強い効験がありそうである。
馬頭観音堂を抜けると鯖大師本坊である。この時刻、参詣者は私以外誰もいない。
鯖大師堂の前には「鯖」の石像がまつられている。
本坊全景
帰りの汽車は二時間に一本しかなく、乗り遅れるとエライことになるが、駅が隣接しているので、ブォ~という汽車の近づく音を聞いて走っても間に合いそうである。
帰りの汽車がトンネルを抜けてホームに入ってきた。汽車を降りて45分ほどの滞在・参詣であった。かなり暗くなっていた。
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