寒い日が続いている。これからの数日予報を見ても、最低気温は0度、最高気温は10°にも達しない日がならんでいる。私が子どものときの昭和の30年代ならこれで普通といえたが、近年、暖冬が続いているし、それに加えて寄る年波のせいか格別寒く感じる。
寒さの中憂鬱なのは、先月、電気料金大幅値上げの通知があったことである。諸物価ほぼ例外なく値上げの中、電気料金値上げは、貧弱な電気敷き毛布のみに頼る我が懐ばかりでなく、現実に我が身を寒からしめるものとなる。そんななか、昨日のニュースで80代のお年寄りが「低体温症」でなくなったとのニュースに接した。長野の安曇野だからこちらよりもっと寒い。救急の話に寄れば暖房不足による低体温症で老夫婦の80代の夫が死亡し、70代妻も同症で入院との事である。私のように暖房を節約したために起こった公算が強いが、なんとも哀れな話である。
電気料金値上げについては政府補助として数パーセントの軽減の制度も適応されるようだが、同じく電気料金値上げに文字通りネをあげている西欧北欧諸国は福祉国家を目指すだけに20数パーセントの軽減措置があるようだ。日本も、とおもうが赤字財政でそうもいかないのだろう。
このブログもぼやくことが多くなった。ネットで公開しているブログだけにぼやきなどはあまり書きたくない、ぼやいていいなら、毎日ズラズラとかけそうである。大昔(半世紀も前)、漫才師「人生行朗・生恵幸子」という夫婦漫才師がいた。社会のさまざまな話題についてぼやくことをそのウリにしていたが、最近はそういうのは流行らないのか、また笑いのネタにするには悲惨すぎるのか、ぼやきを話芸にしている人は見かけない。もうとうになくなったと思うが、彼らの最後の決め台詞、行朗「責任者でてこぃ~~!」、幸子「出てきたらどないすんねん」、行朗「あやまります」がオチである。最後には二人そろって「(ぼやいてばかりで)まことにご無礼いたしました」と丁寧に頭を下げた。いま生きていたらこの世相をかの二人はどのようにぼやくのだろうか、かなわぬことながらもう一度聞いてみたい気がする。
暗い話題はここまで、さて今日は節分、明日は立春で、冬と春を区切る日と言われている。立春にはピンとこなくても「節分」は子供の頃からおなじみである。祖父母の家では大豆を煎って、毎年のように福は内・鬼は外の豆まきをやった。そして歳の数だけ豆を食べた。座敷にまき散らされた豆は踏んではいけないといわれた。この節分の豆まき行事は昔から我がふるさとでも一般的で各家庭で行っていた。しかし近年巻き寿司「恵方巻き」を吉方に向かって食べるという行事がここ徳島でも見られるようになってきた。昔は、少なくとも私の生まれたあたりではそんな節分の行事はなかった。これも吉方に向かってということで、福を呼ぶ、あるいは無病息災を願ってのことと思われる。
私と同世代の友人に「恵方巻きなんどは昔しゃなかったなぁ?」ときくと、隣町の友人も頷いて、「あれは寿司屋の戦略じゃ、バレタインのチョコレト屋と同じ意図じゃわ」といわれ、なるほどと納得した。そういえば、ウチの近くの某コンビニでは、入り口付近にその「恵方巻き」の豪華な巻き寿司のポスターを貼りだし、予約受付、なんどと宣伝していた。巻き寿司の芯にはエビだのローストビフなんどが見え隠れしていたから、一本とは言え太く長い巻き寿司で、値段も結構するのだろう。
今日は「節分」そして明日は「立春」と隣り合っている。これは大晦日と元日が隣り合っているのと同じである。旧暦は「太陰太陽暦」ともいうくらいで、月の(陰)動きと太陽「陽」の動きの双方を考慮しつくられたものである。そのため旧暦の元日は新月に持ってこざるをえないが、太陽の動きでいえば、元旦は「立春」にあるのが基準である。実際に約30年に一回は立春が旧暦の元日となる。旧暦の太陽の動きで言えば「立春」が元日となるべきであるが、新月が旧暦の一日となるため立春に近い新月を元日にしなければならないのである。そのため毎年、立春からプラスマイナス15日びゃぁの間を旧暦の元日が動くのである。
立春手前の今日の節分を、このように大晦日となぞらえば、「福は内・鬼は外」は古代からある旧暦大晦日の追儺(鬼やらい)の儀式が節分の起源ではないのかと思える。以前に読んだ古典「蜻蛉日記」の最後の記述にこの大晦日の追儺の行事が出てくる。
『…暮れ果つる日にはなりにけり。…思へば、かう長らへ、今日になりにけるも、あさましう、御魂など見るにも、例の尽きせぬことにおぼほれてぞ、果てにける。京の果てなれば、夜いたう更けてぞ、たたき来なる。』
この記述をもって右大将道綱の母(名は知られていない)の日記はとじるのであるが、この「たたき来なる」のたたきというのが「追儺」のことである。千年以上前の行事であるが時節といいこれが豆まきのルーツとなっているのではないか(調べるとその説は有力ではあるが直接的なルーツとなっているかについては疑問を投げかける説もある)
午後から友人と鳴門・岡崎の海を見に行く
ちょっと寒いが風もなく、穏やかな初春の海であった。たまには広々した海をみるのもいいもんだ。
私の20代の頃、ここから淡路・福良まで小さな渡船があった(人と自転車のみ)、なんどか乗ったことがある。まだ大鳴門橋はなく、福良からバスを乗り継いで淡路北端からやはり渡船で明石に上陸し、電車で京阪神へ渡ったことを思い出す。
沖に岩礁が見えるが(黄色い丸印)この横を小さな渡船が行き来した。岩礁といい鳴門海峡の急流といい今から思うと危うげな航路であった。
2 件のコメント:
恵方巻は昔はなかったですね。発祥は諸説あるが、全国的にはジャスコ(スーパー)とかセブンイレブン(コンビニ)が大きく広げたらしい。なんかニセモノっぽい風習で、巻き寿司は大好きだけど恵方巻きは食べたことない。
こんなこと言えば、クリスマス・ケーキやバレンタインのチョコレートも業者が始めたものだろう。すっかり定着している。商売の工夫ということで評価すべきことでもある。ハロウィンもそうだな。
徳島では「盆踊り」の阿波踊りを「冬」にやったりする。本来夏祭りものが、ゲサクな観光イベントもどきになって、あさましいと思う。
ぐちを言い出したら、きりがないな。ははは。
カルロスさんへ
ちなみに友人二人に、今日恵方巻きを食べる?と聞いたら一人はお昼にランチの代わりとして、もう一人は夕食に何本か買って家族で食べると言ってました。結構普及しているんだなぁと思いました、私は食べませんでしたが。
今日は立春ですけど暦の上だけでまだまだ朝は寒い日が続きそうですね、でも昼は晴れて風がなければ春を感じさせるのじゃないですかね。十分日光に当りましょう。でもすぐ花粉症の季節、私は12年前発症し、5年前が症状のピークでした。今年はどないなるか?ときたま聞くが、急に治ったりもするから、そうなるといいのですが。
夕べは犬歯の虫歯が痛んで安眠できませんでした。また憂鬱がふえました、ってまたボヤキだ!
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