右の二人の姫君は義理の姉妹です。恩ある人を助けるためどちらか一人の姫の首を差し出さなければならないにですが、どちらの姫も自分が犠牲になる、といって譲りません。そこで双六をして決めるところです。
このあと意外な展開になるのですが、それは見てのお楽しみということにしておきます。みなさん九尾の狐って知ってますか。尾の先が九つに分かれた妖狐なのです。おそらく何百歳にもなると思います。こいつがとんでもない悪さをするのです。ちょっとやそっとの悪事ではありません。国を滅ぼしてしまうのです。絶世の美女に化けて国王に取り入り国を傾けるのです。文字通りの傾国の美人です。
その悪事は世界を股にかけたものなのです。千年も前に世界を股にかけるってそんなことって可能なのと、聞かれそうですが、可能なのです。天竺、唐で悪事をし尽くすとジェット機も及ばないほどの速さで他国へ飛び去るのです。化け物狐のゆえんです。
こいつがあろうことか鳥羽天皇の御代、日本に飛び来ったのです。そしてこの文楽のヒロインである姫にやがて乗り移るのです。
なんだかおとぎ話みたいで史実、はどうなんでしょう?美しいものに魅かれるのは人間のさが、美人に魅かれるのは当たり前なんですがそれが度を過ぎたらどうでしょう、国王のような為政者だった場合、政務がおろそかになったり、寵愛からえこひいきをしたりすれば差しさわりがでてきます。それを戒めるために作られた話しだと思うのです。
美人ていいことばかりのような気がするんですが、歴史上いいことばかりではないんですよ。国主に寵愛を受けていてもなにか政治上の不都合が起これば妬みや嫉みから、あれは妖狐がとりついているといって追い払われたりします。西洋でも魔女だとして美人が男を誑かすと裁判にかけられたりしました。
この文楽のヒロイン「玉藻の前」は実際いた人かどうかはわかりませんが絶世の美人ということでずいぶん悪役に仕立て上げられているおもいます。こののち玉藻の前は陰陽師に正体を見破られ、福島県で石になったという伝説が残っています。ちょっとあんまりな末路だとは思いませんか。
1 件のコメント:
土曜日のプリウスでのドライブは残念でしたが
日曜日は、浄瑠璃を見られたのですね。
本格的ですね。
だいぶ小さい頃に、行ったことがありますが
内容がわからない年齢だったので
もう少し、年を積み重ねた時にと思っております。
コメントを投稿