小鳴門橋を渡り大毛島に入りすぐのトンネルを抜けると海が見えてくる。そのあたりは『竜宮の磯』と呼ばれている。その近くでバスを降りて海の方へ歩いた。
浜から少し行った海中に見えている磯が竜宮の磯だ。足だけを浸すばかりでそこまで行けそうだが剣呑なことはしない方が良い。
このあたりの海を見ると中世歌謡「閑吟集」の切ない歌が思い出される。
身は鳴門舟かよ、阿波(逢は)で漕がるる(焦がるる)
人買舟は沖をこぐとても売らるる身をただ静かにこげよ船頭殿
一つ目は恋に身を焦がす歌、二つ目は安寿と厨子王の説話に出てくる人買い船にのせられ売られる身を嘆いた歌
その近くに、鳥取砂丘ほどではないが砂丘と呼んでもよいような砂の丘があった。
薄紫の可憐な花をつけた海浜植物がそこかしこに自生している。写真に撮り帰って調べると「ハマコウ」というしそ科の植物である。ハーブのようなよい香りがするそうだ。ネーミングの由来は、浜の香(はまのこう)から来ている。その時は香りのある植物とは知らず、どんな香りか嗅げなかった。ちょっと残念、また行く機会もあろう。



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