ツツジのこの赤い色(厳密にいえば紫がかった赤かな)は目にしゅむる(しみる)ような色である。しゅむるというとツツジからくるその赤い色が目に染み入る方向になるが、また、逆方向に目から出た視線を強烈にその色に引き入れる。近づいてじっとその花の赤を見ていると吸い込まれ、その赤色の中に落ちていき、すべてがその赤にとけこみそうになる。それほどこのツツジの色は強烈である。
いまツツジの季節を迎えている。ツツジは深山にもあるが、県内で最も交通量の多い元町交差点の分離帯の灌木として植えられてもいる。自然の深山のツツジと形や色、形態は変わることなくほぼ同じである。自然のツツジは火山の噴煙のすぐ近くまで群生を広げる。火山性の有毒ガスに強い植物である。そんなところから交通量が多く、当然自動車の排ガスも多い道路の分離帯の灌木として適しているのだろう。
高校の漢文でよく出てくる杜甫の五言絶句でツツジは吟ぜられている 「燃えんと欲す云々、」の花は赤のツツジである。つつじを漢字で書くと躑躅、ずいぶん画数の多い文字になる。音読みで「テイチョク」といったりする(ちなみに英語では、azalea(アザレア)、化粧品会社に同じ名前がある)
以下のように吟ずる
こう みどりにして とりいよいよしろく
やま あおくして はなもえんとほっす
こんしゅん みすみす またすぐ
いずれのひか これ きねんならん
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