以前太龍寺から旧遍路道を通って阿瀬比(阿南市)まで歩いたことがあった。ちょうど四年前である。また平等寺から薬王寺までの遍路道は何回かに分けて歩いていた。この阿瀬比から平等寺までの遍路道はまだ未踏であった。そこで昨日、この阿瀬比~平等寺の遍路道を歩いた。距離のうち半分は山道であるが、こちらの方が当然ながら時間は多くかかる。そう標高は高くないが大根峠をこえる道である。
バスを二度ほど乗り換えて阿瀬比で下車する。太龍寺のある山が向こうに見えている。見えている山には昔、弘法大師が悪龍を閉じ込めたという岩の窟があった。しかし近代になって石灰岩採掘のため切り崩され、山の岩が露出して無残な姿をさらしている。この辺りは石灰岩地層地帯なので良質の大理石も採れる。国会議事堂の大理石もここの産出だ。
バス停から大根峠越え平等寺までの遍路道をゆくが、その道に入るとすぐ遍路小屋(休憩所)がある。途中いくつかあるだろうと、ここでは休まず遍路道を行ったが、なんと山道には休憩所などはなく平地に降りるまでなかった。
路傍にこのような頭が三角形をした特異な墓があるが、これは昔、遍路をしていて行き倒れて亡くなった人の墓である。村人の有志が遍路の慰霊供養のため墓をたてたのである。昭和十四年とある。
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