2023年10月18日水曜日

"0”番札所から17番札所まで歩く

  え?0番札所ってなに?そんなんしらん。というのも当たり前、私が名づけた、まぁ言わば番外札所。その0番札所と呼ぶのは眉山ふもと寺町の、滝薬師(滝の焼き餅本舗がある)あたりに(過去)あった「持明院」という大きな真言宗の寺である。今は廃れて大伽藍は見る影もなく、かわりに小さな滝薬師堂や聖観音堂が残っているだけである。

 大昔、江戸時代、お四国巡礼を回る人々の多くは、大坂から船出して徳嶋(渭津・いのつ)に上陸した。廻船級の船は大きくて徳島の川を遡るのが難しいため、巡礼者を含む旅客は、新町川や津田川河口あたりで小型のなどに乗り換え、今の新町橋辺りの河岸へ上陸した。その上陸した巡礼者が真っ先に向かい、巡礼の手形や、そのほかの便宜を受けたのが新町橋からも近いこの持明院であった。つまりここは八十八ヶ寺巡礼に出るより前に訪れる寺であった。そういう意味でいわば最初の寺(一番)の前に行く寺ということでわたしが勝手に「0番札所」と呼ぶのである。もっともこの場合の札所のの意味は公から下される巡礼手形のことであるが。

 江戸期に巡礼日記を書いた澄禅さんはこの持明院から最初の打ったての寺(つまり実質1番)として眉山大滝山からも近い17番井戸寺へ向かい参拝している。それより後の眞念さんも、徳嶋に上陸して巡礼する場合は、霊山寺より17番井戸寺からのほうが便利がよいと書いている。

 そういうわけで、江戸期の参拝者と同じく、眉山大滝山持明院の跡に建つ「滝薬師」を参拝して、(江戸期には)まず第一に訪れた寺、井戸寺へ(17番)へ向かいました。

滝薬師(名の通り本尊薬師如来)


寺町のはずれの大三島神社の裏参道横を通って佐古川沿いの旧街道を進む

三島神社裏参道


佐古川、これに沿って平行に走る旧街道(県西へ向かう)を西、鮎喰のほうへ向かう


旧街道沿いは佐古の問屋街である。比較的車が少ない、てくてく歩く。

どんどん進むと鮎喰川に突き当たる。土手を少し北に向かい橋を渡る。注意の通り、金剛杖を突かないように橋を渡る。


井戸寺山門前で、頼んでシャッターを押してもらった。これは遍路姿の私。


作法通り参拝をすませる。


途中、昼飯を食べるため休憩したが、0番滝薬師(持明院)~17番井戸寺~国府駅まで歩いてだいたい4時間あまりだった。なんとか完歩できた。次は20kmほどの~恩山寺まで歩こうと思っている。

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