高齢者の多くに睡眠障害があるといわれている。障害といっても全然眠れないというような極端なものはなく、たいていは眠りが浅い、何度も目覚める、暗いうちに目がさめたらもう眠れない、などである。私もそうである。対処として何か自然に無理なく改善できればいいと思う。しかし、私の場合、安易にかかりつけ医で処方してもらった「精神安定剤」のお世話になっている。
薬に頼るのはいけないとわかってはいても、寒く、暗く、孤独な室内では極端に早く目覚めるのはやるせないのでついつい連用してしまう。その副作用だろうか、安定剤との因果関係はよくわからないが、部屋で一人でぼ~っとしていると、不安にとらわれてくる。冷静に考えれば実体がある不安ではなく、漠然としたものであるのだが、その不安は去らない、しょ~ぉもない不安といいたいが、しかし考えると根底には、晩年になった人の根源的な不安原因があると思える。それは確実に来るであろう、自律できなくなる(つまり、最終的には排泄食事もままならぬ不自由な身)未来、そして最終的な死、死そのものは受け入れられても、短いか長いかわからないが断末魔の苦しみ、など、たしかにそれらは根源的な不安になろう。
しかし高齢者になっても大抵の健康な老人は、家族の団らん、子や孫の成長を眺める喜び、日常の些末ではあるけどちょっとした喜び、あるいは年寄っての生きがいの仕事、などにそのような不安は時たま思い出すにしても、普通は「こころ」は楽しいことや、日常の行動にそれを忘れて集中することになって、のべつ不安が疼くことはない。ということは私の不安がなかなか去らないのは、老人性の鬱か、先に言ったように精神安定剤の副作用だろうか。しばらく安定剤の服用をよそうかなと思っている。またこれから暖かくなるので自分でも、気がはれるような戸外の活動を活発にしてみようかなとも考えているが、年々、老化で体力気力も落ちているのでそう元気いっぱいの野外活動はできそうもない(去年足をへし折ったのはほとんど治ったが)。陽気な家族や心の許せる友が多くいる老人がうらやましいが、いまさらどうできるものではないから、人間関係で不安を解消するのは難しい。
昨日、久しぶりにロバをみた。クローバーをチミ切って、両手いっぱいに差し出すと、私の方にポケポケやって来ておいしそうにむしゃむしゃ食べた。若いころならこれだけでもちょっとうれしい気分になれたが、今はそうはなれない。
2 件のコメント:
こんにちわ
その精神安定剤って、「デパス」でありませんか?
もしそうでしたら、注意して下さい。
私の家族はその薬、および似た作用のある薬を、常用したために中毒のような状態になって困りました。
本来は一時的に服用するものですが、毎食後にのむよう処方されたので、依存症になったのです。
デパスは痛み止めとして、筋肉痛とかでも使用されることがありますが、保険が効く麻薬とも呼ばれています。
>>カルロスさんへ
情報ありがとうございます。私が用いているのはデパスではありません。ソラナックスといわれる、どちらかというと抗不安剤として用いられるものです。いずれにしても連用を避けるほうがいいのはわかっていますので、薬に頼らないようにしようと思っています。
デパスについては私もいろいろ常習性や禁断的な副作用を聞いていますので催眠効果があって、数年前に一週間ほど処方されましたが、やめました。
安易な向精神性薬剤は連用しないほうがいいですね。
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