それは大量死の兆しかも知れない。ほとんど何事もなかったように消え去るかもしれない。しかし人類は何度となく、その大流行を迎え、大量死を出してきた。
その思い出も薄れたのか、人類の英知でそんな流行病などすでに克服されたと思っているのだろうか。
かの国で
H7N9の新型鳥インフルが死の舞踏を踊り始めた。それがパンデミックになるかどうかはわからない。しかし覚悟はしておいたがいい。
致死率、感染率の高い流行病に侵され死ぬのくらい理不尽な死はないだろう。インフルとは言いながら新型は喉鼻の症状ではおさまらず、全身を侵す。特に血球が破壊され、全身が出血する。最期は肺胞が侵され。肺に水が溜まり、窒息死というからかなり苦しいだろう。
「なんで俺がこんな流行病で死なねばならんのだ。納得できない、死ねない・・・」
苦しい息の下から恨みも聞こえてこよう、しかし、パンデミックとはまさに理屈も愛もない冷厳にして残酷な死なのである。
パンデミック(この場合はコレラだが)の時の、大量死を描いた絵画がある。これである。
死神が大鎌を振るい、人の命の絆をゴソッと断ち切る。なんのためらいもない。
中世ならなすがまま、金持ちも権力者も貧乏人もそれに対し何もできない。
ところが現在は医学が発達しているだけに始末が悪い・・いや、間違った、往生際が悪い。タミフル(抗ウイルス剤)だの予防接種だので少しだけ死亡率・感染率を下げられるのだ。
どんなことをしてでもその薬を手に入れるだろう。そして絶対安全なところに金持ち権力者は逃れるだろう。
しかしどうかなぁ・・・・ホントに助かるのかなぁ・・そんなことを考えるとき、昔読んだE・A・ポーの短編『赤い死の仮面』を思い出す。(あらすじは
ここクリック)
パンデミックの時は、ジタバタせずにみんな仲良く死の舞踏を踊りましょうよ。